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企業レポート

堅調なスタート マルサンアイ 11月25日 (2015.11.24)

100年企業の布石 

新工場建設にトップ若返りで弾み

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マルサンアイ(2551)は1Q続伸。前期10年振り連結純利益がピーク更新し堅調なスタート。5月鳥取に新工場建設、11月にトップ若返りを表明し、願ってもないビジネスチャンスを迎えた。直近5年、全国で42%生産量が伸びた豆乳の需要増によるもの。1983年10万klレベルから今年30万kl目前。1人当たり消費量が韓国や台湾の半分。イソフラボンで叩かれただけに、安心・安全と健康ブームに乗って本格的になった。同社はシェア16.7%(2012年)で2位。新工場稼働により能力15万kl(5割増)の見込み。来年5月着工し翌年10月立ち上げ予定だが、3工場とも能力一杯で委託先を含め稼働日増で対応している現状から半年繰り上げる公算もある。総投資60億円。うち20億円国や鳥取県、鳥取市から補助金が出るものの、今期の設備投資計53億円(前期3億円)の計画。来期も同20億円かかるといわれ負担増に変わりない。しかし、未曽有の超低金利に破格の条件つき。地元の歓迎も並はずれたものだ。10年スパンで1期6億円の案件に過ぎない。鳥取市の布袋工業団地の一角9000坪。立地が千代川(せんだいがわ)と国道53号線に囲まれ、矢作川と国道248号線に囲まれた本社工場に似ているのもご縁。鳥取城を巡り羽柴秀吉の中国攻め(1581年)で有名な千代川。水道によらず質の良い地下水に恵まれ、「鳥取ブランド」が生まれる余地もある。順調なら、3~4年で償却負担を吸収し収益に貢献。連結売上高300億円が視野に入りそうだ。2011年の総会から4期、伊藤社長(64)と渡辺副社長(59)のバッテリー大詰め。12月10日から伊藤会長、渡辺社長による新体制。堺取締役選任と新工場を任された兼子代表の活躍も楽しみだ。振り返ると、前期連結5200万円持分法利益、1億4200万円デリバティブ評価益を計上するなど追い風参考といわれるが、3月豆乳、4月にみそも値上げが浸透し原料高を吸収。豆乳が10%伸びたほかアーモンド飲料倍増(8億円)、豆乳グルトも2億円レベル。鍋事業7億円に驚いた。豆乳のレシピが広がっている。連結子会社の匠美が黒字転換。玉井味噌と上海の丸三愛食品商貿も黒字、持分法によるアメリカン・ソイ・プロダクツが収益に貢献。前期上振れし新工場着工に駒を進めた。2015~16年盛運で好調の見通し。2度とないチャンスとみられる。

2016年9月期(連結)は、売上高244億0500万円(2.9%増)、営業利益4億7200万円(25.1%減)、経常利益4億5400万円(42.7%減)、純利益2億8400万円(45.0%減)の見込み。配当は、16年3月20日5株を1株に併合するため期末30円の予定。8期連続増収を目指し、1Q推定5%増収で推移。需要期だけに活気もうかがえる。2022年(70周年)にかけて新工場の仕込みが100年企業の布石。最新鋭設備で品質やコスト競争力に弾みをつける構え。この上、みそが復活すると体質が一変する。学問的検証こそないが、味噌が食品として万能であることを江戸時代の本朝食鑑が伝え、味噌汁の健康増進効果を「医者殺し」といわれていた。

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