証券ビュー

企業レポート

来年が決め手 武蔵精密 12月1日 (2015.11.30)

後半慎重胸突き八丁 

ホンダを主力に外部取引が拡大

企業HPご案内   前回の企業レポート

武蔵精密工業(7220)は差し引き堅調。連結、予想を上回る折り返し。後半慎重に構え通期従来通り。むしろ、締まっている。国内と南米を除き北米、欧州、アジアが営業増益。ホンダ(7267)グループを主力に外部取引が拡大しているためだ。現在同グループ推定72%(前期75%)とみられ、4月28日付リリース以来フォード、アメリカン・アクスル・アンド・マニュファクチャリング、富士重工業(7270)など新規受注。自社開発のギア(歯車)とシャフト(軸)中心にユニークな製品が受けている。エンジンの制御や動力を車輪に伝えるもので四輪60%、二輪40%の構成。ホンダがフイットのリコールやタカタ(7312)製エアバックの品質問題でつまずき、ひところ打ち出した世界販売600万台を今期470万台(能力560万台)に修正。当然影響を受けるものの一線を画している。排ガス不正事件でVW関連がアウディ推定30億円程度。心配ない。グローバルオペレーションの確立を目指しており、海外売上高90%(2020年3月期)が目安。前期80.3%に達し、下期中国不透明から胸突き八丁。タイと北米3拠点が動き出し、今後1~2年で国内とアジアを再構築すると実現の運びだ。国内と南米が課題。前者は前半16.1%減収(80.0%営業減益)、後者も16.5%減収(同損失3億0600万円)を計上し展開難。ホンダの場合、国内の四輪生産が消費増税の反動や販売不振、輸出を減らすなど足を引っ張っており、対策として夏場から輸出モデルの生産を始めたのが現状。このため、後半若干改善する見込み。一方、南米はブラジルのルセフ大統領が12月2~4日に予定していた日本訪問を再びキャンセル。2013年に次ぐもので、経済不振を主因に支持率1割といわれ、政権交代なしに事態好転の手掛かりが見当たらない。16年の五輪後あく抜けも予想され歯をくいしばっている。設備投資は前半50億円弱で通期145億円(計画150億円)。来期130億円といわれ更新が大半。グローバルオペレーション確立にめどをつけた。来期、インドと中国第2工場が伸びる見通し。同後半メキシコも70億円(現在40億円)にパワーアップ。連結売上高1700億円台まで視野に入った。来年2月から上昇運。大塚社長(50)が運気好調だけにチャンスがやってくる。

2016年3月期(連結)は、売上高1600億円(1.1%増)、営業利益117億円(1.0%増)、経常利益105億円(11.6%減)、純利益68億円(6.6%増)に修正なし。2円増配し50円配当(期末25円)の予定。2018年(80周年)にかけて2度目の事業確立期。課題をこなす上でもいいポジションにつけた。生き残りより勝ち残りが大事。2000年6月ホンダから社長に就任した小林由次郎元社長のメッセージ。退任まで6年で連結売上高ほぼ倍増。海外売上高を60%(就任時40%)に引き上げ、公約63%を果たしたのが記憶に残っている。ホンダも2016~17年社運好調。来年が決め手になりそうだ。発展のルーツミシン部品、自動車部品に続き、ギアとシャフト一貫生産で航空機部品が登場すると面白い。ホンダの小型ジェットが愛嬌を振りまいている。

>>購読ご案内