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企業レポート

原価改善に弾み サンゲツ 1月26日 (2016.01.25)

 社員の求心力高まる 

一段と締まり採算の改善目立つ

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サンゲツ(8130)は堅調。連結増収増益で折り返し後半も確り。一段と締まってきた。採算の改善が目立つためで、2月4日3Q発表の予定。年初来円高株安となり原油安が追い風。新年度塩ビ系素材の値下がりが見込まれ、原価改善に弾みがつきそうだ。前回述べたように、延べ160年続いたオーナー経営から脱皮。第三の創業を目指すもので、社員が会社を担う真の上場企業をテーマに2期目大詰め。「市場起点」のモノづくりに転換し、従来のトップダウンが一掃された。期を通じて事業戦略を再構築。将来、成長の基盤とみられる新分野の開拓、組織体制の整備など仕込み一色。2014~16年度連結売上高1400億円、純利益63億円(創業来最高益)を掲げ4Q追い込み。来期の助走とも受け取れる。何よりオープン。風通しがよくなった。中堅や若手、女性社員の動きが活発になりスピードアップ。連携、連帯感が広がっている。2014年から海外のインテリア、トレンドを伝える展示会に若手も参加。商品開発に幅が出たといわれる。営業の場合、売り上げのほか利益も数値目標。社員の間で経営のあり方を学んでいる。全国に100社を数える襖(ふすま)問屋のリーダー。めいめい幕藩体制の御用達で名が通っているだけに、「主従の関係」を超えたご時世のあり方が急務になっていた。安田社長(65)が三菱商事時代、樹脂や合成繊維原料を担当し、2012年9月物故した5代目オーナーと20年来親交があり、三菱退社後に社外取締役を引き受けた経緯が決め手。今回、中期計画策定に手腕を発揮し、社員の求心力が高まった。6代目オーナー日比会長(84)の信頼も厚い。インテリアに対し住宅着工、リフォーム、医療、商業施設など実態把握が進むと理に叶ったマーケティングに現実味。工場を持たないファブレス経営で延べ1万3000点(壁紙5000点)の商品をラインナップ。自社で生産するメーカーの10倍以上品揃えできるという。インテリア(2Q連結累計85.8%)が覚醒すると、子会社のエクステリア(同11.2%)、照明器具(同3.0%)を刺激すること請け合いだ。

2016年3月期(連結)は、売上高1355億円(2.6%増)、営業利益82億5000万円(2.7%増)、経常利益85億5000万円(0.5%増)、純利益55億円(24.9%増)と従来通り。配当45円(期末22.50円)の予定。設備投資40億円(前期15億1200万円)の計画。一昨年から上昇運。安田社長も同運で富士の高嶺を目指し一歩一歩のぼり始めた位相。来年の今頃、次期中期計画2017~19年度を踏まえROE8~10%に挑戦。インテリア事業の着実な収益拡大と新規、海外、連結子会社の本格的な展開が見込まれる。「和」をテーマに壁紙シリーズと床材カーペットタイルが2015年度グッドデザイン賞を受賞。このほかスペイン・トルコ製の大型セラミック板「ガルザス」発売、カーテンの新見本帳「AC」など話題が多い。昨年10月、壁紙主要委託先に22.2%出資し持分法適用。連携を密にした。サンゲツレポート2015や決算説明資料も様変わり。先が楽しみだ。

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