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企業レポート

バランス取り戻す MARUWA 11月10日 (2015.11.10)

セラミック部品堅調 

照明事業の収益改善に注力

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MARUWA(5344)は出直り。連結15.8%営業増益で折り返した。10月29日の上振れ修正発表によるもので、前期落ち込んだNFCフェライトシート事業の在庫や生産見直しが主因。省エネ関連のセラミック部品や以前から取り組んでいる新製品のパターン回路が堅調。スマホをはじめ通信端末向け顧客の減産、撤退など吸収しバランスを取り戻した。3Q 想定通り。4Q中国の経済減速、米国利上げの影響など読めないという。社運を調べると、現在大きな変化をはらみ来年にかけて再度上昇。本物かどうか手探りの状態にある。しかし、主力の土岐工場8億円、マレーシア工場に5億円など新規・更新半々30億円(前期29億2800万円)の設備投資に踏み切り前向き。パワー半導体やこれらを複数組み合わせたパワーモジュール向けセラミック製品の改良・改善に余念がない。一方、2012年12月 100%連結子会社になったYAMAGIWAの復活も見もの。来月丸3年を数え、経済合理性で文明の先端をいくパワーモジュールと対極にある照明文化(1923年創業)の名門だけに逐一実績づくり。収益体質の強化を進め、効果が出始めているが、消費増税の反動と工期の遅れもあり、今期収支トントンから来期持ち越しの見込み。10年スパンの「大事業」になりそうだ。LED事業に自社のセラミック基板(世界シェア8割)を供給しデザインや意匠により付加価値を高めるもので浸透に時間がかかる。国内のほか海外にも潜在需要があり、2020年の東京五輪にかけて復活をアピール。3月「ライティングフェア2015 第12回国際照明総合展」に参加。大阪「まちデコール」(10月10~18日)、東京のアニバーサリー企画「ドリアデ×yamagiwa」(10月24日~11月7日)でも新作を披露した。05年に照明事業を立ち上げ10年。3年前まで公共向け中心に30億円レベルだったが、中長期トータル150~200億円にステップアップ。むしろ、五輪後に期待できる。原油をはじめ資源安、リニア、名古屋駅前スーパーターミナル構想など影響軽微。あるとしても照明程度という。昨年9月末、日本特殊陶業(5334)から譲り受けた誘電体事業にめど。サンプル出荷が活発で将来2~5億円(現在1億円弱)が見込まれる。
2016年3月期(連結)は、売上高340億円(3.6%増)、営業利益34億円(41.4%増)、経常利益35億円(23.2%増)、純利益25億円(2.82倍)に修正なし。連続2円増配し38円配当(中間19円)の予定。前期落ち込み反転が見込まれるものの4Q流動的に変わりない。主力のセラミック部品で新しい差別化製品開発に意欲。村田製作所(6981)のようなイメージもある。何より前向きで来年上昇運。3、4Q踏ん張りどころだ。12月6日、瀬戸市文化センター文化ホールで8回目のクリスマスコンサート。応募抽選でペア500組が招待される。日本のスペイン舞踊振興にも財団を通じて支援している。

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