大局を念頭に底値買い テニスの錦織選手と日経平均が連動
有為 4ヵ月振りです。8月前半まで日経平均2万円中心のもみ合い。
同後半下放れ、9月29日1万7000円割れ。10月26日に半値戻しの1万8923円を抜き
ました。
以来、米利上げと日銀の追加緩和を見越した巻き戻しが一巡しニュートラルの状態。
前週末、郵政グループ上場と補正3兆円を手掛かりに確り。週明け売られました。
NYダウが直近5週連続上昇。10月に1378ドル上げ新記録。いったい全体、どうなります。
奥山 日経平均やNYダウにこだわればそうかもしれないが、わしは前回述べたように
オール単純がベース。郵政、補正もいったい全体影響ない。NYダウにしても、
リーマンショック以降2万ドルが持論。枝葉末節にくみしない。中長期、大局を念頭に
底値買い。死ぬまでやるよ。
有為 そうでしたね。私ども今年に入ってKNT(9726)と東電(9501)が当たった程度。
世界でヘッジファンドの評価損が拡大し解約が相次いでいます。
奥山 わしは、シャープ(6753)が塩漬け。減資後に反転を見込んでいる。これまで
オークマ(6103)、日立(6501)、ミツミ(6767)、東京エレク(8035)など
センター返し。ソフトバンク(9984)もタイムリーになった。
次、旭化成(3407)をマークしている。
有為 達者ですね。さすが、奥山さん。確かオール単純が相場の憲法云々。
日経平均が底値から3倍に対し、単純平均の出遅れを強気の根拠にしておられました。
奥山 その通り。水準訂正半ばでインデックスのポジション調整。むしろ、ニュートラル
なら追い風。個別に見直されるものが沢山ある。
ところが、リーマン後の世界株高にひきかえ、これほど引き合いのないのも珍しい。
野村HD(8604)をはじめ、新日鉄住金(5401)やソニー(6758)など悪目買い。
それなりに回転している。入念な仕込みによるものだ。
有為 株の取引が老舗の板さんみたいですね。アナログゆえに実入りも確か。
行き届いています。デジタルとの対比でネット取引が回転寿司に見えます。
つけ入る余地がなく切り身や加工したネタがシャリに乗って次々運ばれてくる。
しかも、タッチパネルの世界。自己満足や条件反射に明け暮れ、何年やっても
切り身のままです。
奥山 回転寿司とは面白い。モグラ叩きともいわれる。たとえば、11月4日の郵政グループ
上場。下馬評しきりだが、納得するものが何ひとつない。
わしなら、上場後3年経緯と足取りを見てじっくり考える。必ず買い場があり売り場も
わかる。40年以上馴染んだ相場で慌てる必要ない。中国は日本の昭和30年代と似かよ
っているし、欧州を一口でいうとモザイク。ロシアも含め訳がわからない。
どうなるか自分たちでもわからないはずだ。
有為 そういえば、日本のバブルと前後して市場を沸かせた「仕手筋」が摘発もあり退場。
ヘッジファンドもレバレッジがたたり曲がり角を迎えました。従来のインフレ期待が
裏切られ、原油をはじめ資源安やゼロ(マイナス)金利によるデフレが行く手を阻ん
でいます。
奥山 ご時世の流れであり止められない。日本は欧米のように金融立国でなしに、資源安
とゼロ金利を取り込んで製造業がものづくりで再び輝きを取り戻すのが筋。
われわれもピンチをチャンスと受け止めないと駄目だ。
相場は、仕手筋やヘッジファンドがいなくても生きもの。必ず新しい勢力が現れる。
高値から半値以下になった一流銘柄の底値買いがわしの流儀。タカタ(7312)は射程
圏まできていないが、ヨーカネツ(6369)、サンケン(6707)、IHI(7013)など底値圏。
皆が売りたい時に買い、買いたい時に売るのがコツ。
大したことをしているわけでない。
有為 それが相場の醍醐味ですね。1989年12月29日をピークにデフレ25年。
2012年10~12月を底に相場が反転し3年。15年7~9月一段上げが終わり、2段上げを巡
る踊り場。持ち越した米利上げ、追加緩和の有無にかかわらずで底値買いのチャンス。
受け売りですが、テニスプレーヤーの天才といわれる錦織圭選手(25)の誕生日が日
経平均の最高値と同日で面白い。黄金分割で262ヵ月(21年10ヵ月)過ぎた2011年11月、
8135円の2番底をつけて反転。錦織選手も12年春の全豪オープンで初のメジャー大会準
決勝に進み日経平均と連動しています。