日銀の轍踏むFRB 10、11月間違うと来年棒に振る (2015.10.26)
前週末急反発。主力中心に戻した。起き抜けNYダウ320ドル高を受けたもので、22日ECB総裁の切羽詰まった追加緩和示唆が主因。必要なら12月の次期理事会であらゆる手段をとるという。
買い戻しに拍車がかかり,一時日経平均1万8915円。半値戻し1万8923円にあと8円まで迫った。これで米利上げが後退する一方、23日閣議後の会見で麻生財務相が追加緩和に慎重と伝えられ出来上がり。24日中国のW緩和もあり1週間早く巻き戻しのポジションが一巡。週明けからやり場のない11月を先取りする見込み。23日、MRJの初飛行が26〜30日から11月に再延長(5度目)されたことも響いた。シリア内戦にロシア軍事介入、同床異夢といわれる英中首脳、株に続き暴落寸前の兆候になった中国の債券市場などヘアピンカーブの連続。IMFによると、今回の原油安によりサウジの財政が5年もたないという。入り乱れ暮れ、年明け収拾がつかなくなりそうだ。8月後半から世界のマーケットが下げ、半値戻しに終始している現状から、事実上、23日に今年の相場が終わったともいえる。英フィナンシャルタイムズ紙によると、中国の外貨準備高は2014年6月4兆ドルをピークに現在3兆5000億ドル。年初来8月末まで5000億ドル(60兆円)流失した。しかし、UBSのエコノミストによると、米国債1兆4000億ドルに日本と英国・欧州の国債計8000億ドルを加えた2兆2000億ドル。習主席が英国で520億ユーロの投資を発表するや、返す刀で人民元建て中国国債を海外初のロンドンで発行する旨を表明。輸血か出血か不明である。FRBも昨年10月から利上げアナウンス丸1年。追加緩和が限界を迎え、やむなく利上げに追い込まれた。市場が抜き差しならないところまで織り込んだのも事実。ちなみに、ゼロ金利解除に失敗したのが日銀。2000年8月に断行し日経平均1万7000円を高値に01年1万円割れ、03年8000円割れを見た。01年3月ゼロ金利に戻し史上初の量的緩和に踏み切ったものの後の祭り。日銀を莫迦ににしたFRBが同じ轍を踏もうとしている。当時1万7000円が3年後7600円まで55%暴落。NYダウ1万8000ドルの45%に相当し8100ドルが目安。今後1万ドル安が予想されるわけだ。FRBとECB、日銀の一部でも「NYダウ1万ドル安」を知っていて先送り。準備が出来次第、正常化と称して利上げ。以降3年、欧米に中ロなど修羅場。日本も影響を受けるが、いち早く立ち直る見通しだ。いくらか先が読めたような気がする。慌てずに手を打てば十分適応できる。次にやってくる反転相場が途轍もなく大きいためだ。
23日の日経平均389円高。大引け1万8825円。TOPIX1547(+29)。東証一部の出来高21億2700万株、売買代金2兆5600億円。12月限が430円高で寄り350円高の1万8800円引け。10年債利回り0.300%(-0.005%)。上海総合3412(+1.30%)の引け。値上がり率上位を見ると、関係分で■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)程度。日本の場合、11月4日の郵政グループ上場が今年のトリ。ヘッジファンドの草刈り場といわれる。10、11月間違うと来年棒に振りそうだ。(了凡)