日本の産業力見直せ 国債から株や不動産に資金還流 (2011.10.03)
依然として踊り場。10月も波乱とみられる。3日短観とフランクフルト休場、6日BOE・ECBに日銀も政策決定会合、7日米雇用統計発表など時間稼ぎ。9月29日260ドル高から45ドル安まで連続300ドル乱高下したNYダウが前触れ。日経平均は鞘寄せに過ぎない。具体的な手がかりは下旬から本格化する2Q発表。円高の影響が予想され、来年2月を目安に円ドル74~71円が目安。最後の円高と述べた。7、8月に欧米信用不安が再燃し、9月末まで鳴りっ放しだったユーロ・ドル安の警報と連動。29日ドイツがEFSF負担増を飲んだものの暮れ、年度末にかけて欧米も再び資金繰りがきつくなる見込み。このため、5中銀による流動性供給が頻繁になり、なし崩しに円の国際化が進む旨お伝えした。少なくても来年2月にかけて40年円高20年デフレの流れが変わる。変わらないにしてもきっかけが起きる。それが円安インフレ、株高につながるというわけだ。その点、住信基礎研究所の主席が核心に迫る発言。同士を得た思いがする。いわく、日本に蔓延する悲観をひっくり返すパワーの第一が産業力。観光が主力のギリシャ、エジプト、チェニジアなどと決定的に違う。日本はひところより落ちた印象にかかわらず、きびしい円高の中で産業の裾野を広げている。かりに国債価格が大幅に下がり、先行き懸念から円相場が下落すれば、逆に日本の多種多様な輸出産業の競争力が大幅に上昇し、物価にもデフレ脱却のチャンスがやってくる。円高解消により工場が再び日本に戻ることも考えられる。今も「日本国債暴落論」が書店に並びながら起きず、S&Pが格下げしても一瞬の下げにとどまるのは、円安を誘発すると日本が有利という市場の判断によるもの。この種の発言が心地よい。一方、米国は簡単に国内産業を放棄するという。カラーTVメーカーが一時なくなり、おもちゃは中国に任せたまま。ボーイングは機体まで3分の1日本に依存している。このため、追って円安・インフレに流れが変われば、日本を代表する輸出産業が最高益を更新。ゆうに20年低迷していた内需関連も息を吹き返す。国債に偏って固定化していた資金が株や不動産に還流する見込み。来年2月まで半年足らずになった。フロンティアは、9月20日述べた国産ジェット機MRJ。YS‐11以来初の自力生産。ボーイング787一号機引き渡し直後だけに、来年関連銘柄の初飛行が楽しみ。ひとまず■■■■(****)、■■■■■(****)を紹介した。
日経平均は変わらず。後場寄り後一段安になり大引け8700円。出来高20億1300万株、売買代金1兆2400億円。持ち駒のうち■■■(****)が13万8700円で引け鬱憤晴らし。9月26日述べた顛末によるもの。医学生物(4557)も9月にトップが中国に渡り、後日材料が出そうだ。■■■■■(****)をはじめカジノ関連も10月持ち越し。9月30日述べた■■■(****)買い下がり。10年ぶり300円飛び台なら文句なし。■■■■(****)は1037円の引け。9月29日1005円を境に底値圏に入ったが、NY金先物1200~1400ドルが目安。2012年後半から13年独歩高も考えられる。もう一度日本を見直すと述べた。日本の強さは企業部門に顕著。来年航空機産業がテイクオフする。相場はあまのじゃく。人が通らない道を歩み、評価に値するリスクを取った人に利益をもたらすという。(了凡)