ピーク更新し高水準 名工建設 8月19日 (2015.08.18)
15~17年助走段階
最大のビジネスチャンス迎える
名工建設(1869)は様変わり。連続ピークを更新し高水準。1Q区間新で飛び出した。7月27日の修正発表によるもので、工事採算の改善が手掛かり。しかし、2Q計画線。通期予想も変わりない。人手不足(推定2割)が主因とみられる。2027年リニア開業を控えて15~17年助走段階と考えられ、旧本社跡地に日本郵便と共同事業の「JPタワー名古屋」(196m)が15年11月竣工の予定。12月にオフィス、テナント入居が始まり、17年4月全面オープンの運び。同社は、共同所有に伴う旧本社再開発52億4000万円を見込み初期費用がかかる。このほか、新幹線大規模改修336億円(3年分)を消化中。新幹線脱線逸脱防止対策工事と共に追加が見込まれる。今年度本格着工といわれるリニア関連工事など案件豊富。手が回らない様子。資材高や前期の不動産売却益がないのも減益要因。直近2期急伸しスピード調整に入った。前回述べたように、「大名古屋ビルヂング」(175m)16年3月、「JR ゲートタワー」(220m)も17年4月にオープン持ち越し。物理的にも助走にふさわしい場面。1964年の東京五輪にかけて東海道新幹線が開通したように、再び2020年東京五輪招致が決まり、JR東海(9022)が10年11月明らかにした「神奈川―山梨間20年前後先行開業」構想に現実味。五輪、リニア、名古屋駅再開発などプロジェクトが重なるだけに経営資源をやり繰り算段。50年、100年に1度の大事業が束になってやってきた。同社の新中期計画によると、連結売上高800億円以上・経常利益率3.0%(2017年度)が目安。助走場面に相当するもので、18年度以降収束すると考えにくい。JR東海がリニア関連1000人超増員に踏み切ったように、同社も新卒30人レベルから増員を迫られ、手薄な30代中心に予想外の補強も見込まれる。6月26日の株主総会。約60人出席があり35分で幕。ピーク更新、新たな取り組みも伝えられ質問なしという。名古屋駅一つをとっても、1886年SLによる初代駅舎(笹島)、1937年「東洋一」といわれた新築移転(現在地)に次ぐ大規模な再開発。1941年に名古屋鉄道局管内の軌道工事専門会社として発足して以来最大のビジネスチャンスを迎える。 2016年3月期(連結)は、売上高880億円(2.3%増)、営業利益24億円(33.9%減)、経常利益25億円(34.3%減)、純利益15億円(37.8%減)の見通し。配当11円(中間5.5円)を据え置く予定。さらに工事採算の改善が見込まれ、上方修正を期待できる。昨年後半から上昇運。来年本格化する見込み。野田社長(66)も来年運気好調だけに見どころ十分だ。日本郵便と共同事業の「JPタワー名古屋」が名駅1丁目1-1。中部圏、日本の中心ともいわれ、来年6月商業施設「KITTE名古屋」開業の計画。JPが11月に上場され追い風とみられる。2015~17年度の助走段階で大プロジェクトの雌雄が決まりそうだ。