高品質と低価格 ドミー 8月12日 (2015.08.11)
100年伝統受け継ぐ
来年2月に毘森公園店オープン
ドミー(9924)は続伸。堅調な見通し。新体制2期目を迎えた。前期まで13期連続連結増収、利益反転を受けたもので、2013年に創業100年を数え14、15年正念場。愛知県西三河を地盤にドミナントエリア拡大と1995年立ち上げた岡崎食品加工センターの稼働率アップを念頭に新たな100年の計。昨年9月、ドミー会204社(国分の執行役員中部支社長が会長)も100年の伝統を受け継ぐことで了承された。前期、1月8日と7月9日に利益を上方修正。夏物の天候不順で見込みより減収になったが、発注精度の向上やロス削減に取り組み採算が改善した。同加工センターの運営に外部チェックを含め並々ならぬ衛生管理を実施している。前期で黒字転換3年といわれ、今後稼働率が上がると10年スパンで高いリターンが見込まれる。矛盾するが、高品質と低価格を2本柱に地産地消が梶川新社長(47)の基本。安心と安全を徹底し、IT化による同加工センターの歩留り向上によってコスト競争力をつける。6月から干物が人気といわれ生鮮食品のポジションが上がった。前期14億2500万円(6.5%減)に落ち込んだ衣料テコ入れが課題。創業のルーツだけに、若い人が受け入れる今様な対応が望まれる。昨年12月、岡崎北部と豊田南部を結ぶ複合商業施設に3年振り「岩津店」をオープンしたのが事業100年の折り返し。来年2月出店を決めた豊田中心部「毘森公園店」(ひもり)でもう一皮むける。カフェと回転寿司が並び閑静な雰囲気を盛り上げる趣向。8億5000万円投入し初年度12億円(直営)の計画。本丸の西尾シャオ店が他社の出店攻勢にさらされる一方、1Q連結区間新を更新したトヨタ(7203)の健闘を物語るもの。日本チェーンストア協会が7月22日発表した6月の全国スーパー総販売額1兆0699億円。59社、9370店計によるもので、店舗調整後前年比0.3%増。3ヵ月連続プラスになった。同社の場合、前期既存店ベースで客数2.7%減に対し単価3.2%増。高品質、低価格、地産地消に一定の評価。おもてなしも不可欠という。これまで5年、8月のコンテストで優秀な店舗従業員を顕彰している。社運を調べると、今年からプラス方向に大きなうねり。トップ交代が成功した。
2016年5月期(連結)は、売上高349億6000万円(2.0%増)、営業利益3億8300万円(6.6%増)、経常利益3億9000万円(0.6%増)、純利益1億8900万円(8.7%増)の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。設備投資11億円(前期9億7900万円)の計画。期末35店舗の見込みだ。東三河(7店舗)が泣きどころ。文化の違いを認め新たな一手が注目される。次の100年も最初の10年動乱期。10年後、陰から陽の道筋が見えてくる。今の社長なら、ゆうに20年(前社長19年)やれる。