27日の反動安こそ買い場 欧米の景気減速にリバウンドなし (2011.09.28)
NYダウが予想外に続伸し、持ち高調整一巡から買い戻しが入った。28日は配当落ち。権利つき最終日の買いも見られ堅調。29日、ドイツ議会がEFSF機能強化の可決に際し、どんな但し書きをつけるか見もの。否決もあり得るといいながら3段階のスキーム。ギリシャのデフォルトを織り込んだ市場にとって、ポルトガルやスペイン、イタリアの連鎖が気がかりだ。27日述べたように、生かさず殺さずが結論。「日本化」によるもので時間稼ぎ。むしろ、市場が知らないふりをしている。日経平均でいえば、バブル崩壊後92年8月1万4309円を底に96年6月2万2666円が戻り高値。その後98年に取りつけが起きて1万2879円に下振れ。大がかりな金融再編と小渕政権の大盤振る舞いで00年4月2万0833円まで戻し力尽きた。問題は、欧米景気減速のリバウンド。今回、いくら時間稼ぎしても事実上ないと考えられる。過去10年、ないし20年以上借り入れと低金利による不自然な景気拡大が続いたことによるもの。ことに、米前大統領が9・11を契機に派手な軍需拡大、金持ち減税を打ち出し住宅バブルを煽ったのが気がかり。以後株式と住宅の値上がりが目立ち、ITバブルの調整を飛ばしただけに健全性が失われた。消費者にしてみれば、貯蓄を棚上げして借り入れをふやし、身の丈以上に買い漁った結果、ツケが回ってきて動くに動けない。借りたお金は必ず期限がやってくる。暴落にはリバウンドがつきものだが、市場に干渉し操作が日常になると、はね返りも限られたものになる。ところで、26日から底値圏入り。そこで、日本企業が40年円高・20年デフレにかかわらず一貫して国内を拠点にきちんと利益を出した例を紹介する。いずれも稼ぎ頭が交代しており、来年見直される公算が大きい。ファインケミカルの■■(****)286円、研磨剤の ■■■■■(****)149円、ブレーキ製品の■■■■■(****)654円、医薬品・在宅医療の■■(****)267円、ヘルスケアの■■■■■■■■(****)532円、建機の■■■■(****)129円、そして液晶フィルムの■■■■■(****)794円。全部10年来安値に落ち込み、願ってもない好買い場とみられる。
日経平均は235円高。後場先物に入った大口買いをきっかけに嵩上げ。8609円の高値引けになった。出来高18億8300万株、売買代金1兆1900億円と前日を下回る水準。大引け間際に薄商いで急伸しており、28、29日波乱が予想される。円ドル76円、円ユーロ103円をもとにNY金先物を見ると、9月3日1923ドルを高値に27日未明12月物が1535ドルの安値。中心値1600ドルと述べた通り調整場面。NYダウ、日経平均と逆相関でもちつもたれつだ。双方、今、来週ふるいにかかり、相場が若返るのは10月7日の米雇用統計発表あたり。ヘッジファンドもちゃぶついたままだ。彼らも又貸し、追い貸しの資金を担保にレバレッジのショートプログラムで裏返しにされた。来週もう一度ひっくり返すに違いない。日本企業はクルマや石油なき高齢社会にどう対応するか。多様な新エネルギー開発、既存エネルギーの節約でも世界をリード。貿易・経常収支も依然黒字を確保できる見込み。それも、欧米のエリートと一線を画し現物第一。マネジメント二の次の経営。27日の反動安こそ現物仕込みの買い場である。(了凡)