証券ビュー

アンコール伊勢町

底値圏入り負けるが勝ち 欧州但し書きつけて引き回す (2011.09.27)

再び持ち高調整売り。株のほか金や銀先物も急落。換金売りが目立ってきた。21日FOMCを受けて22日G20、23日パレスチナ国連加盟申請など消化難。23日NYダウが37ドル戻したのにとどまり、金先物101ドル安から調整待ったなし。外資はじめ機関投資家の処分売りが広がっている。当面、29日のドイツ連邦議会が欧州金融安定基金(EFSF)の機能強化を可決するかどうか。可決の条件や否決の有無を巡り28日配当落ち。22日70円だった値鞘分が26日60円になり27、28日悩ましい。欧州は日本のようにまっすぐな国がなく、利害も曲がりくねっているだけにユーロも老獪。結論をいえば、但し書きをつけて引き回すとみられる。昨年5月ギリシャ発覚から1年7ヵ月、まだドイツとフランスに体力が残っているためだ。29日大荒れが予想され逆張り。ひとまず持ち直す公算が大きい。欧州で解決できず、米国も輪転機頼み。13、20日述べたように、世界主要5中銀ドル資金供給合意のもと、ドル・ユーロ・円3極体制なしにもたなくなってきた。5中銀のうち、日銀総裁の評価が上がっているのも手がかり。櫻川教授の外貨準備を担保にした復興サムライボンド発行に当たらずとも遠からず。円がドル、ユーロの負荷を一部肩代わり。事実上国際化に移行するわけだ。こうなると徐々に円安株高。負けるが勝ちである。日本は外貨準備約90兆円を失っても、中国とアセアンの成長が本格化。天の時、地の利から取り戻すことができる。地球を3分の1か半周して欧米に製品を輸出入するのにひきかえ、物流、保険、為替コストなど比較にならないほど安い。今後2、3世紀にわたり欧州のシェア激減、北米ジリ貧、アジア絡み激増といわれる時代の過渡期、たとえ中国とインドに急ブレーキがかかっても、最大の恩恵を受けるのは日本という。同感である。それも過去20年、日本の貿易黒字が大幅に拡大し、円も史上最高を更新しているからこそ。たとえば、セメント業界。延々続く市場収縮にかかわらず、バブル崩壊、リーマンショック、震災も克服して立ち直りつつある。07年から3年で年間需要6000トンが4000トンに落ち込んだが、ピーク5社から2社に再編して供給をしぼり、震災・津波に伴う瓦礫をトータル3分の1材料にする技術も復興に貢献。このうち、■■■■■■(****)はベトナムにグループ最大の合弁工場を持ち、近隣国の高速道路や新幹線、社会インフラにも備えた。

日経平均は186円安。後場さらに売られ8374円の引け。出来高21億2700万株、売買代金1兆4200億円。ボリューム増により底値圏に突入した。下げの第2波に相当し、底入れしても底が抜ける場面。■■■■(****)1020円、■■■■■(****)9530円、■■■■■(****)2440円が今回の目安。殊勝にも■■■(****)が1430円と高く、■■■■■(****)1701円、■■■■(****)も362円で踏みとどまった。■■■(****)は朝高の反動もあり大幅安。29日にかけてまさかの安値を拾うところ。日本の場合、相場も負けるが勝ち。今後東アジア、東南アジア、南アジア経済が立ち上がると、政治・社会的混乱にかかわらず国民1人当たり輸出入が急増。輸送距離も欧米に比べ大幅に短縮できる。このため、自動車、機械、電機、素材、日用品までアジアにもうひとつ市場ができる。(了凡)