中期計画見直し サーラ住宅 6月30日 (2015.06.29)
未知数多く急がば回れ
反動減持ち越し次期巻き返し
サーラ住宅(1405)は1、2Q 出遅れ。反動減の持ち越し予想以上。3、4Q追い込んでも計画を下回る見通しだ。6月9日の修正発表によるもので、4四半期振り1~3月期1.8%増にプラス転換した住宅投資が手掛かり。想定していた反転が半年から1年先に延びるという。1月23日に山口社長(56)をはじめ新体制。加速する顧客、市場、政策変化に対応する上で守りを固めるのが先決。急がば回れとみられる。顧客が人口減少・高齢化・世帯数減少なら、市場は家余り・震災・電力自由化。さらに、政策もネットゼロエネルギー・新省エネ基準・増税(消費・相続)など未知数が多いためだ。前期クリアした第12次中期計画を2年目で見直し。次期巻き返しが見込まれる。1991年に外断熱・二重通気工法を市場に投入し25年。前期最高スペックの新商品「kanonGーS45N」にバージョンアップ。これまでの実績が認められ、本格的な普及に入った。メンテナンス30年のトータルコストが一般住宅に比べ半分以下という「高耐候」シリーズがヒット。08年に始めた「お泊りハウス」も年間400組を数え、直近の成約率3分の2といわれる。このほか分譲でスマートハウス、同最上級ブランド「スイートコート」に取り組み、今後リフォームやリノベーションなど事業100年のテーマ。サーラタウン名古屋南71区画、四日市60区画が決まり半田60区画も開発予定。2019年(50周年)が折り返し地点とみられる。愛知、静岡、神奈川県の東海道ベルト地帯に全国トップクラスの店舗(14)を構え、住宅部資材加工・販売がバックヤードだけにユニーク。約70%外販で神奈川(2)が首都圏の需要を取り込んでいる。2016年のガス自由化に伴いサーラグループ中核3社の中部ガス(9540)、サーラコーポレーション(2734)と都市ガス、住宅、その他で仕切っていた棲み分けが流動化する見込み。今、来期の実績がベースになるとみられ肝腎なところにきた。気になるのが、全国820万戸(12.2%)といわれる空き家。現実に300万戸が正体という。今後出生率が劇的に改善しても30年先に過ぎず、2040年に30~40%との試算もある。同社の場合、買い取りや解体、再生など成功例も出している模様。経済が成熟して安心・安全の時代を迎え、保守・メンテナンスの取り込みが不可欠になった。
2015年10月期(連結)は、売上高297億円(7.9%減)、営業利益5億7000万円(47.5%減)、経常利益6億円(46.8%減)、純利益3億6000万円(44.7%減)に見直した。配当25円(中間10円)の予定。2015年度の住宅着工92万戸(14年度87万戸)が目安。トータル460棟(請負230)に修正している。昨年上昇運に入り来年から本格化。山口社長も来年チャンス到来と出ており追い風。マーケットと正反対で興味深い。今年後半から来年前半の仕込みが前途を左右しそうだ。住宅用断熱パネルで熱通過量を40%カットした屋根断熱遮熱パネル、断熱性能を約30%アップした外断熱壁パネル2種類特許を取得したのが最近の話題。前回、反動減を持ち越し峠と述べた。今回、未知数が多く急がば回れ。ピンチの後にチャンスがやってくる。