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企業レポート

実質ピーク更新 アイカ 6月10日 (2015.06.09)

AAPが海外リード 

国内も成長分野の取り組み本格化

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アイカ工業(4206)は脱皮中。前期まで連結5期連続増収、6期連続増益。さらに、実質ピーク更新の見通し。2014年から青天井相場になった。12年12月に買収したAAP (アイカ・アジア・パシフィック=旧ダイネア)を中心に海外がリード。消費増税、駆け込みの反動など国内の伸び悩みを吸収している。海外の売上高は前期連結478億円(16.3%増)、今期同520億円(8.8%増)の見込み。前期で構成比33.3%に達し中期計画(17年3月期)の30%以上を突破。やがて、40ないし60%前後も考えられる。中国やアセアンを目玉に建築、自動車部品・電子機器など非建築分野でも相当な需要が見込まれるためだ。国内の市場は住宅3.0%増、非住宅3.2%増の認識。改修・リフォーム・医療介護など成長分野の取り組みが本格的に始まった。13年12月商品化された「女性向けトイレ」が大学や鉄道会社、百貨店等でヒットしているほか、プラスワンダー(デザイン性を重視したメラミン化粧板の新ブランド)、三大都市圏のミラノサローネ報告会も人気。今秋上場を控え、日本郵政改修(全国1500局)が話題になっている。提案できるのが強みだ。4月27日伝えられた昭和電工(4004)のフェノール樹脂事業譲り受けも、持続的成長を後押しするもの。同社の建築用フェノールと一線を画し、鉄鋼、電子機器、自動車向けに定評。現在40億円の規模だが、国内外補完できるだけに回り出すと面白い。5月、昭和電工が設立した新会社に85%出資。2年後、残り15%を取得する計画。連結売上高1500億円、経常利益170億円が中期計画の目安でいち早く射程圏にとらえた。機能材料は前期連結59億6000万円(7.6%増)、今期同64億円(7.4%増)の計画。太陽電池用が一服したものの今期そろって増収の見通し。社運を見ると、今年後半から調整運。冷静に受け止め前向きに対応すると消化できる。小野社長(58)が今年から盛運だけになおさらだ。ひところ流れた北米進出に合理的な手掛かりなし。必要なら、つくって送るし現地メーカーに委託するという。5月29日発表された4月の新設住宅着工7万5617戸(前期同月比0.4%増)で2ヵ月連続プラス。しかし、持ち家が2.1%減で15ヵ月連続マイナス。同社は非住宅が45%で過半を占めるトレンドにある。

2016年3月期(連結)は、売上高1510億円(5.0%増)、営業利益158億円(4.1%増)、経常利益161億円(1.4%増)、純利益95億円(6.3%減)の見通し。さらに1円増配し44円配当(中間21円)の予定。設備投資45億円(前期29億6000万円)の計画。足もと海外順調、国内厳しいという。前年と同じ6月24日に株主総会。連続ピーク更新、同増配。株価も上場来高値圏にあり文句のつけようがない。2015、16年が将来を左右するターニングポイントといわれる。

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