証券ビュー

森羅万象

五千円台売れ 次は青田ほめだ (2015.06.02)

昭和の風林史(昭和四八年五月二十八日掲載分)
充分に押しておかないと、
強く見えても騰げきれん。
無理に煽ると次は四千円下げにつながる。
「分け入っても分け入っても青い山 山頭火」 

小豆の先物市場は強気が支配している。
やや大衆筋が売り込んだ跡もあるだけに、
狙われた格好である。
やはり異常天候が思惑の芯になっている。
冷夏、冷害、凶作。
この夏は寒からんとて豆を買う。
強気筋は、
七百円押しを絶好の買い場と見た。
理想的な押し目であるという。
あるいはそうかもしれない。
だが、筆者はそう考えない。
買い気が強く
(強気支配で)押すべきところを、
中途半端にしておくとここから水が洩れる。
ボルトの締めぐあいが甘いと
あとからゆるんでくる。
千円以上を押さなければならない場所であった。
日数にして五、七本。
それをターンと叩いて、パーンとはねた。
しかも作為的に
買い方が露骨な陽動をしている。
買い方の手で買い上げる相場は、
ちっとも怖くないものだ。
産地の気温は、これから上昇する。
五月末から六月上旬の冷え込みも、
たいしたことはなさそうである。
当然、次は青田ほめの番である。
阿波座は強くなっているが、
高値を買ったから強くなっただけで、
これは人情のしからしめるところ。
五千円までは弱気していて、
踏んで、高値を飛びついて―
ということをやった人なら、
やはり強気になろう。
強気に転換したから踏む。
踏んで買い余す。
買い越しになるのは、
さらに強く見えたからであろう。
しかし、本当は、
売り辛抱していて辛抱たまらず踏む。
上が大きく見えるからドテン買う。
買い玉を建てた以上、これは誰でも強気を言う。
なんとなく
この相場は頭が重くなりつつあることか見える。
一万五千円は
今の時点でいえば買いすぎた地点である。
それをなお買い上げようとするのは
無理ではないか。
無駄、むら、無理。
むの時をはずして〝だ・ら・り〟という。
週末の引けは、
月曜下放れの味を見せた。
線は二点離れ星型。
月曜に強い陰線を引くと千三、
;四百円の下げ場面を迎える。
逆に上放れて強く見せても、
それは下げるための前触れにしか過ぎない。
惜しめは完了していない相場だ。
●編集部注
 種田山頭火
これまで何度かブームが到来。
そのさきがけは昭和四十六年ごろ。
永六輔がラジオで紹介したのだとか。
 全国チェーンの「らーめん山頭火」の創業が
昭和六十三年。
このあたりでもブームが来ていた。
【昭和四八年五月二六日小豆十月限大阪一万五一九〇円・二四〇円高/東京一万五二四〇円・一六〇円高】