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企業レポート

すっかりアク抜け 大宝運輸 5月20日 (2015.05.19)

前週末に年初来高値  

前期後半から差し引きプラスに

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大宝運輸(9040)は反転。1Q計画線上で推移。すっかりアク抜けした。原油値下がりの影響と前期計上した三好支店の減損9億1700万円、厚生年金基金損失引当金5億4700万円が主因。

一昨年11月統合した名南支店が昨年12月黒字転換し反転をリード。新春日井支店も続き、2年止まっていた車両更新が20台規模(約5%)で再び回り出した。最大の懸案だった大手顧客の流通南北分離に伴う落ち込みを吸収した模様。今期、事故10件(前期22件)が目安。春闘で会社側が若干ベースアップを表明し全体でも明るさを取り戻した。3月に西春支店稲沢営業所を開設したが、大手食品卸の引っ越しを共同で行ない感謝されたという。昨年10月、30年勤続した社員が郷里の青森に帰る際も、わずかな長所を褒め、正しい方向に導いて下さったお蔭で学ぶことの楽しさ、人と交わることの面白さを知り、生きることの意味を考えるようになりましたと感動のメッセージ。教育立社、門戸開放、自力実行のたまもの。安全活動でさえ、社員七則から40年の歴史。現在、旧泡影塾と和合塾の塾生が支店長レベルになって活躍している。5月15日、全日本トラック協会が発表した運送業界の1~3月期は、前年消費増税を控え駆け込み需要の反動から▲28.3(前年10~12月期▲19.2)に悪化した。しかし、4~6月期▲26.8に改善する見込み。水面下の回復で低温経済に違いないが、増税の影響が和らぎ、円安、原油安、株高など支援材料。外国人観光客の急増や賃上げ効果も考えられる。目下、数量横ばい。単価を指数にすると、100から60まで下がり80に戻した程度で物足りない。乗務員不足(半年前1割)もあと一歩の状態。しかし、ニクソンショックから40年続いた円高、原油高が逆回転。前期後半から差し引きプラスになった。今年から上昇運。小笠原社長(46)もプラス方向に大きなうねり。前週末に年初来高値(1株当たり純資産693円)で引けた。
2016年3月期(非連結)は、売上高91億円(1.7%増)、営業利益2億円(36.5%増)、経常利益同(21.8%増)、純利益1億円の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。設備投資1億円(前期1億5000万円)の計画。前回述べたように転機となった。昨年10月、雨のため1年持ち越した第37回大宝運動会で実行委員長が「業務・業種の枠にとらわれず組織運営を実践的に学び、互いのコミュニケーションを高めるため訓練の場と教えていただいています」と述べた。その後、スポーツウェアメーカー大手やIT業界5社の運動会も伝えられ、親睦のほかチームワーク、指導力、企画力など人材育成やモチベーションアップにも有効という。同社には今年11月第31回文化祭もあり、前回「運営・各支店の出し物でもあれだけのものをつくりあげる力を持っている」との声があがった。受け売りだが、同社は1920年愛知県の三河で生まれ東海地方の顧客と発展してきた。「将来にわたりこの地域が生き活きできるような仕事に携わる喜びをつくり出すのが夢」という声もある。

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