仕込みたけなわ ダイセキ 5月8日 (2015.05.07)
3月新体制スタート
グループ連携しトータルに対応
ダイセキ(9793)は踊り場。3月から柱社長(54)中心に新体制スタート。グループ経営に弾みがつきそうだ。7月に株式公開20周年、11月には創業70周年を数える節目の年。次世代の仕込みたけなわの印象を受けた。今後、懸案の京浜地区に全国7番目の処理工場具体化が目玉。1万坪規模といわれ、特命を受けた担当役員が飛び回っている。4月に中期計画を発表し、ローリングで連結売上高535億円、営業利益96億円(2018年2月期)が当面の目安。1971年廃棄物処理法施行が発展のルーツで、当時から約40年円高・原油高が続いただけに、今回円安・原油安に跳ね返り逆回転。需給のほか政治的な思惑を加味して原油50ドル±1割が中期計画の前提という。前期3、4Q伸び悩み3月よし、4月悪くないというのが足もとの感触。単体のリサイクル燃料値下がりと子会社環境ソリューションの外注費増、さらに、同MCR新工場稼働が1年遅れ足を引っ張った。しかし、徐々に持ち直し後半巻き返す見込み。廃油回収ルートが製造業のほかスタンド、自動車ディーラーなど関西から首都圏に拡大。昨年延べ5100klに達し3月700klにのぼった。廃バッテリー回収も地道に進めている。ちなみに、前期の連結売上高457億円(公開当時単体70億円)。20年で6.5倍に伸びた。単体の売上高を見ると、地元中部31%に対し関東24%、関西17%。都道府県のGDPによると、愛知県31兆円に対し東京91兆円、大阪36兆円(2010年)。業界最大手として関東のシェア上昇余地が大きい。栃木県と千葉県の処理拠点に次ぐもの。首都圏で子会社の土壌汚染調査・分析・処理やPCB廃棄物、廃石膏ボードリサイクル、再生鉛処理、タンク洗浄などグループ連携によりトータルで対応するのが狙い。ひところ人材確保に苦労したが、上場により優秀な若者が集まるようになりレベルアップした。過去10年でベア7回実施。再生・循環を目指すクリーンなイメージと国内勤務も落としどころ。要員が揃うと、連結売上高600~700億円レベルに駒を進めそうだ。今年後半から調整運。3年続く見込み。穏やかに進めば問題ない。2025年(80周年)、35年(90周年)にかけて二つ山が見える。10年スパンで二皮むける見通し。15、16年の仕込みにかかっている。
2016年2月期(連結)は、売上高472億円(3.1%増)、営業利益77億8000万円(6.5%増)、経常利益78億6000万円(5.6%増)、純利益43億2000万円(7.0%増)の見通し。後半採算が改善する見込み。前期2円増配し、24円配当(中間12円)を据え置く予定。設備投資26億8500万円(前期42億3900万円)の計画。巡航速度で進むという。40年続いた円高・原油高から円安・原油安になり踊り場に違いないが、大手製造業の国内回帰、設備投資再開も伝えられ明るい材料。トップが若返り一段と引き締まった。昨年6月、都内に廃バッテリー回収専門の窓口を開設。子会社MCRのほか懸案の新処理工場具体化につながりそうだ。成り行きが注目される。