持ち直し堅調 東洋電機 9月14日 (2011.09.13)
成長市場の対応決め手
3事業部制改め機動的な仕組み
東洋電機(6655)は続伸。前期持ち直し1Q堅調。震災ショックを吸収している。受注繰り延べが一部にとどまり、部品調達改善、変圧器や制御盤など復興需要の呼び水。リピートも考えられるためだ。機器(1Q連結11%増収)、変圧器(同37%増収)、海外制御装置関連(同46%増収)が前期に続き高い伸び。リーマンショックで大幅に落ち込んだせいもあるが、国内の反転と中国、東南アジアを中心とする成長市場の対応が決め手。エンジニアリング(同16%減収)が印刷制御装置の減少で出遅れたが、得意のエレベータセンサ、空間光伝送装置、変圧器がリードしている。2010、11年調整運だが12年後半から上昇運。今、来期の仕込みが将来を左右しそうだ。その点、従来の3事業部制を見直し、ものづくりを神屋・春日井の2工場に再編。組織を開発、製造、管理など工場機能ごと統合する運び。部門別営業機能の統合、海外営業部新設、在外子会社との連携もこの一環。組織の壁を取り払い、機動的な仕組みに改め、情勢変化に備えるもの。海外売上高はざっと1割だが、中国の子会社が好調で前期半年で1年分の稼ぎ。アジアは、やがて投資ブーム。ベトナムの新幹線と高速道路建設が将来を物語っている。
1Q連結は、7%増収、営業利益6900万円、経常利益8000万円、純益5300万円と好転。予想以上とみられる。12年3月期(連結)は、売上高83億9100万円(10%増)、営業利益3億2800万円(7%増)、経常利益3億4700万円(5%増)、純益1億9600万円(12%増)の見通し。配当は8円(中間4円)と据え置く予定。設備投資2億円(前期1億円)の計画。2Q発表(昨年11月4日)が待たれる。今年の高値は8月29日306円だが、3月15日250円を安値に中段もみに入り、崩れていないところがミソ。ちなみに、松尾社長(59)は上昇運。今年上昇気流に乗ったところだ。