証券ビュー

企業レポート

来期から尻上がり トランシ― 3月24日 (2015.03.23)

ジャブ出している印象 

投資200億円地元で持ち切り

企業HPご案内   前回の企業レポート

日本トランスシティ(9310)は修正発表なし。通期計画通り。来期から尻上がりとみられる。期初、新中期計画(3年)に盛った設備投資200億円が手掛かり。今期40億円、来期100億円規模といわれ、地元四日市で持ち切り。今年7月創業120年を前に次世代へ舵を切った。昨年6月立ち上げた飛島の新物流センタ―(自動車部品専用5500坪)が口火。一連の設備更新をはじめ「WALTZ」(新国内物流情報システム)、物流加工など新計画を通じて高品質、高効率、高付加価値物流サービスに切り替わる見込み。国内ロジスティクス事業の改革、グローバルロジスティクス拡充、グループ経営基盤強化のほかCSR(企業の社会的責任)経営を重視。地域社会に貢献するのが狙い。頻りにジャブを出している印象で楽しみだ。3Qまで連結増収減益だが、国内外新規貨物の獲得、連結子会社増加、国際複合輸送・その他(14.8%増)の伸びが新鮮。間もなく日銀が異次元緩和に踏み切ってから2年。円安浸透で輸出関連企業が息を吹き返し最高益続出。政策と一体になった賃上げや予想外の原油安も追い風。日本の場合、2015~16年実力以上の景気回復も考えられる、同社は今年から3年有余運気好調。小川社長(66)も同運で願ってもないポジションにつけた。受け売りだが、四日市は港があり東海道の要衝。四日市港を通じて発展を目指す地元財界の期待が「四日市倉庫」(前身)に結集。紡績近代化、高度成長期の石油コンビナート、その後自動車や消費財など時代のニーズにこたえ物流サービスを拡大。これまで120年、成功体験にこだわらず適応した経緯がベースだ。前期リーマンショックを吸収し次のステップに入った。1980年代に海外留学制度をつくり、これまで60人以上送り出した。うち20数人海外現地法人の中枢で活躍。次世代の扉が開きつつある。年明けからインドネシアやフィリピン、タイ、ミャンマーなど大規模な港湾インフラ整備が始まり、東南アジアを鉄道や幹線道路で結ぶ陸路にも波及。事業拡大に必要な資金調達のため、ミャンマーでも10月に証券取引所が開設される運び。小川社長は日本と北米、アジアの連携を強調している。ジャブのあとワンツーパンチが注目される。

2015年3月期(連結)は、売上高910億円(2.7%増)、営業利益37億円(1.7%増)、経常利益45億円(2.0%増)、純益27億円(0.5%増)の見通し。配当9円(期末5円)を据え置く予定。設備投資39億円(前期47億円)の計画。主力企業中心に景気拡大が伝えられ、半年、1年後倉庫保管貨物入出庫・期末保管残高に跳ね返る見込み。港湾・陸上輸送も次第に活気を取り戻すとみられる。連結売上高の1割強を占めるイオングローバルSCMにとっても追い風。稼働13年目に入り脱皮の時を迎えた。2020年東京五輪、21年三重国体を控え国内の環境整備が進む一方、アセアンのロジスティクス機能強化と北中米の同機能再編待ったなし。2015、16年の舵取りにかかっている。連結売上高1000億円、経常利益50億円に挑戦3度目。期末追い込み新年度飛び出しそうだ。所在不明の株主延べ270人、3万株売却に向けて具体的な手続きをとった。

>>購読ご案内