限界までいくと一変する 外債発行が起死回生の材料 (2011.09.12)
海外安を受けて反落。売り一巡から内需中心に戻した。後場息切れしている。9日のSQ値8732円。8月は9054円で7月1万0225円を高値に続落。年末にかけて先安感に包まれている。FRB、米大統領声明に進展なく、9、10日G7も手がかり難。6日無制限介入を発表したスイスがいきまき、1ユーロ=1.20スイスフランの「固定相場」に移行。改めて円と金先物が米欧信用不安のはけ口になりそうだ。財源が払底し政策余地も限られたG7.かりにFRBが第3次緩和に踏み切っても金融政策の限界。副作用がついて回り、材料出尽くしとみられる。このため、財政や金融でもない捨て身の政策として日本の外債発行が起死回生の材料。それも約90兆円の外貨準備を担保に20~25兆円規模のサムライボンド。復興国債と銘打って海外で資金調達するのがきっかけ。この円高で引っ張り凧と考えられる。海外から監視されるだけに財政規律が守られる一方、ヘッジファンドの「空売り」も予想されるが、ギリシャ7割、米国5割といわれる外国保有比率に対し、日本は「上限3割」(櫻川教授)が妥当という。国内延べ1000兆円の国債残高のうち300兆円。これならヘッジファンドに対抗できる。8日の新発10年債金利1.005%。わずか1%で巨額の資金を調達しているが、震災で莫大な復興資金が必要となり、いよいよ先が見えてきた。中国も約180兆円の外貨準備を持ち何かできそうだが、元を国際化して外国が大量に保有すると、対ドルで割安なレートを維持できなくなるため難しいという。同教授は「日本はこれから世界の中で責任を負わねばならない。円の国際化もその一環で遅いとはいえ手遅れでない。今やればわずかな努力で大きな成果を得ることも可能」という。日本の利益は世界の利益、世界の利益が日本の利益となること。たとえば、円建て調達した資金の一部でユーロ安定基金をつくり、南欧や東欧の国債を引き受けると、彼らは日本国債や社債、日本製品も買うようになる。新興国の経済発展を支え、世界の経済成長に伴う見返りが入るようなシステムをつくる。日本の持つ技術と資金を世界に供給する。さらに円、ユーロ、ドルが共存するG3を目指し、世界と日本の利益が一致すれば国益につながる道をつくること。日本の出番がくるかこないか、市場が行き詰まるとわかる。20、21日のFOMCにかけて円、金先物が一段高になりそうだ。
日経平均は55円安。後場膠着状態となり8737円の引け。■■■■■(****)をはじめ機械株が軒並み安くなった。前日発表された7月の受注統計(8.2%減)によるもので自動車や半導体関連も安い。出来高22億株、売買代金1兆6600億円。値上がりより値下がりランキングの方がまともな印象。8日ECB理事会で総裁が欧州経済に言及。「私たちは戦後最大の危機」と述べユーロ安に拍車をかけた。下振れリスクが強いとみられ、総裁の顔も悪くなっている。悲観することもない。最後の円高は金先物、スイスフランに共通するもの。相場が限界までいくと、現行の延長上から流れが一変する。まだ■■■■■(****)や■■■■(****)が上がるところにきていない。人間は体験から将来を予想する。理屈でわかっていても、体験で学んだことしか理解できない。日本人は頑張って生きている錯覚に陥り、世界全体を考えようとしない点でフランスに似ているという。(了凡)