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企業レポート

本格的な上昇運  中央紙器工業  2月25日 (2015.02.24)

昨年7月もち合い放れ

連結最高益トヨタより4年先行

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中央紙器工業(3952) は踊り場。3Qまで連結減収減益。通期計画通り。昨年7月三角もち合いを上放れジリ高。日経平均より半年以上早い。筆頭株主のトヨタ(7203)が2月4日に上方修正を発表。連結最高益更新の見通しだが、同社の場合、リーマンショック1年前から固定・変動費を改善し2011年3月期に連結最高益を更新。4年先行している。このため、直近3期横ばい。収益高水準を確保。新たなビジネスチャンスに備え、人材育成・再開発が課題という。全国段ボール工業組合連合会によると、昨年の生産量1.2%増(一昨年1.4%増)に対し、今年の需要予測1.0%増。暦年で6年連続増加する見通し。しかし、通販、宅配、引っ越しなどネット関連の伸びにひきかえ、自動車や電機、機械など同社の得意先横ばい。2年で40%以上円安に振れ、生産の海外移転が止まった程度。半年で50%以上の原油安にしても、半年、1年後に跳ね返り。環境に配慮した付加価値の高い包装材の提供に大きな影響ない。むしろ、ワールドスター12年連続入賞(2014年二作品)。今年6月、前哨戦の日本パッケージングコンテストに向けて意欲満々。前回三つ受賞しただけに、記録更新の構え。商品開発部に若手が台頭し期待をもてる。これまで生まれた作品のすべて梱包プロセス改善に特化。パッケージの軽量・簡素化に強い。前期末、海外を含め工業所有権の特許87件(出願中31)。しばしば息を飲む精緻な設計に圧倒される。ネットの時代を迎え、通販、宅配、引っ越しなど及びもつかない。連結で自動車6割、電機3割、食品・その他1割の構成だが、トヨタグループの中でも競争激甚。常に品質を上げ、価格を下げる努力が求められる。これまで新規顧客15社(前期25)の模様。数百とみられる顧客リストのうち、保守・メンテナンスでも改善提案が主流の時代になった。何より、今年から本格的な上昇運。神谷社長(63)が来年上向くだけに、三角もち合い放れが興味深い。日経平均はおろかトヨタより4年早く、これから何が起きるか楽しみだ。

2015年3月期(連結)は、売上高128億円(0.8%増)、営業利益12億円(5.4%増)経常利益12億5000万円(5.2%増)純益7億7000万円(6.5%増)の見通し。配当40円(期末20円)を据え置く予定。国内が厳しい上、中国も日本以上といわれ、円安と原油安の帰趨が次のポジションを決める。得意先に恵まれ、財務・収益・開発力を地道に積み上げた。1株当たり連結純資産1952円(前期末)を抜く日がやってくる。2013年4月に大量保有が判明した米国マサチューセッツのFMR LLC(52万2000株=9.9%)も長期保有の見通しだ。

 

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