乗り切ると走り出す アスカ 2月18日 (2015.02.17)
新体制通して脱皮
インドネシア工場を立ち上げ助走
アスカ(7227)は踊り場。今、来期胸突き八丁。1月27日新体制を発表し乗り切る構えだ。2017年稼働予定の三菱自動車(7211)インドネシア工場に備えるのが主因。いち早く昨年8月延べ30億円投入してインドネシア工場を立ち上げ当初32人でスタート。三菱自の20万台レベルを目安に200人規模まで引き上げる計画。矢面に立ち陣頭指揮した杉本前社長(67)に代わり、2月26日片山義規(かたやま・よしのり=47)新社長を後継者に若返り。新体制のもと、1日も早くアセアンを軸足に「海外本社」の軌道入りを目指す。前社長が取締役に残り、社長補佐・特務担当で後押しする異例の布陣。前回述べた10、20年後のポジションを決めた。新社長は創業者の孫にあたり4代目。総務・経理・経営管理担当の片山義浩新常務(よしひろ=35)が現会長の長男。事実上、バッテリーが代替わり。2017年以降、インドネシア工場の本格稼働が見込まれ助走に入った。自動車部品が連結売上高の約3分の2占め、トヨタ(7203)関連も端境期。今秋新車投入が伝えられ盛り返す見込み。復興需要をきっかけに息を吹き返した配電盤、応用広がるロボットシステムのほか、2009年人材教育、12年モータースポーツに目星をつけ事業拡大。1Q自動車部品の落ち込みをロボット拡販で吸収し計画線という。2015年末、アセアン加盟に先行した6ヵ国とベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアを加えた10ヵ国(人口6億人)の経済共同体発足が最大の手掛かり。欧州連合(同5億人)を上回るもので、関税撤廃や外資の出資規制緩和など通じて人、モノ、サービス、資本の往来を活発にするのが狙い。自動車の場合、昨年の新車登録321万台に対し2025年500万台といわれ、日本車のシェア9割前後だけに欧米や中国の投資も本格化。これまでタイとインドネシアで3分の2を占め、人口2億人で276万台(2013年)のブラジルに対し、2億5000万人で110万台(同)にとどまるインドネシアに潜在的な魅力。昨年9月、三菱自が370億円投入し新工場建設計画を発表した。
2015年11月期(連結)は、売上高191億円(1.5%増)、営業利益2億2000万円(20.5%減)、経常利益3億円(26.4%減)、純益1億円(55.6%減)の見通し。配当10円(中間4円)の予定。設備投資11億円(前期29億円)の計画。一巡したが、インドネシアに追加も考えられる。今年から3年上昇運。帆を張って進むところ。新社長も同運でピッチが上がりそうだ。7~8年前、藤田保健衛生大学と共同開発した「ウーパル」(下肢麻痺者用の歩行補助ロボット)。すでに20台ほど実績があり現場で活躍。10、20年先脚光を浴びそうだ。圧倒的なプレス技術とロボット応用が同社の真骨頂。今、来期乗り切ると走りだす。新体制を通して脱皮が見込まれる。