昨年から3年上昇運
12年にかけてクライマックス
今仙電機製作所(7266)は踊り場。ビジネスチャンスをつかんだまま。第2幕が上がった。前期リーマンショックにめどをつけた矢先、震災・原発事故・円高の影響によるもので、北米、中国の第2生産拠点立ち上げが焦点。ホンダ(前期構成比47%)、日産(20%)、三菱自(15%)も手に汗を握る場面が続いている。12年(創業80年)にかけて2度目の事業確立期とみられ、今、来期事実上クライマックス。6月21日業績・配当予想、8月8日1Qを発表したが、連結減収減益を受け入れ20円配当(前期3円増配)据え置きが印象的。6月22日就任した藤掛社長(56)の決意表明と考えられる。温故知新のもと品質第一を徹底。規模の上で連結売上高1000億円を次のステップの目安としていることも手がかり。復興を通じて震災、原発事故、円高をこなせば実現できる。昨年10月26日の上方修正が転機。エコカー補助金終了や円高にめげず、アジア中心に海外(連結17%増収)が予想以上。通期予想も計画を上回り、精度が高いと評価された。主力製品シートアジャスタに定評がある。社運は昨年から3年上昇運。12年に届きそうで興味深い。
1Q連結は、14%減収、営業利益1億1700万円(94%減)、経常利益2億4500万円(87%減)、純益7300万円(93%減)と黒字を確保。社長が開発本部長を兼務しており、6月22日付組織変更、役員等の移動も支援材料になりそうだ。12年3月期(連結)は、売上高801億円(4%減)、営業利益43億円(33%減)、経常利益47億円(20%減)、純益24億円(35%減)の見通し。中間配当10円の予定。2Q(前期11月8日)、3Q発表(同2月8日)を通じてフル稼働が見込まれ上方修正も考えられる。市場の動きをたどると二段上げ途上。国内の再構築とともに、海外第2の生産拠点が3つ稼働すると矢も楯もたまらない。やがて上場来高値(07年2280円)が視野に入る。