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企業レポート

反転し回復軌道  ノリタケ  1月14日 (2015.01.13)

3、4Q連結予想以上 

円安に事業再構築、跡地再開発も

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ノリタケ(5331)は反転。今期も3、4Q連結予想以上。回復軌道に乗った。円安を追い風に事業再構築急ピッチ。昨年10月24日に続き3Q発表(2月6日の予定)前に上方修正が予想される。期初1ドル100円(前期98円)、通期101円の基準レートが手掛かり。1、2Q102.2円で連結売上高4億円、経常利益が2億円増加し3、4Q120円レベルなら自明。事業再構築も着々進んでいるためだ。目下、第9次中期計画2年目。これまで連結売上高を除き営業・経常利益揃って見込みを上回るペース。昨年12月26日、持分法適用の日本レヂボン(5389)が連結子会社になり4Q追い込みに入った。同社は国内シェア3割を占める研削砥石特注品のトップメーカー。レヂボンが同汎用品推定シェア1割といわれ、40年以上の交流を通じて経済合理性が高まる運びだ。砥石といえば、09年から14年3月にかけて本社工場から近隣の三好事業所に生産移管。仕掛品の移動距離が劇的に短縮したほか、自動化、リードタイム、需要変動の対応など品種別に一貫生産できる最新鋭ラインになった。鉄鋼、自動車、ベアリング、航空機部品向け砥石をオーダーメイド。さらに改善を進め、国内外の工場に生産性向上を促す狙いもある。一方、創業来110年の生産活動にピリオドを打ち、約7万4000㎡の本社工場跡地再開発も待ったなし。とっくに土壌調査を実施し、一部区域で見つかった汚染土壌の除去を進めている。周辺住民の健康に影響なく、16~18年にかけて商業施設とマンションの複合施設が具体化する見通し。三菱商事、イオンモール、三菱地所レジデンスが再開発業者。「ノリタケの森」、施設内の「クラフトセンター」と並び次の100年を見越したものになりそうだ。森村グループ発祥の地。後にTOTO(5332)、ガイシ(5333)、日特(5334)など送り出した。ルーツの食器が72年スリランカに生産移管され、普及品100%現地化を目指すのに見合っている。次の100年に向けて仕込み10年余。15年から上昇運。会長、社長がそれ以上で目を離せないところにきた。

2015年3月期(連結)は、売上高930億円(4.9%増)、営業利益17億円(2.2倍)、経常利益27億円(39.9%増)、純益14億円(6.6%増)に見直した。3、4Qサプライズ含み。配当6円(期末3円)を据え置く予定。設備投資50億円(前期53億円)、償却33億円(同29億円)の計画。動き出した工業機材(2Q累計連結90%営業増益)、セラミック・マテルアル(同営業6.87倍)にエンジニアリング(同営業損失5000万円)と食器(同営業損失2億1900万円)が出遅れを取り戻す場面。さらに円安が見込まれる一方、原油安が円高に跳ね返ることも考えられる。金属とセラミックをくっつける燃料電池部材用接着剤、3Dプリンター用石膏材料など新たな手掛かり。「ノリタケの森」で1月3日から4月3日まで世界最大級の陶磁器製雛人形「大親王揃」を展示している。業績が回復軌道に乗ったのに対し、260円台でいかにも割安。1株当たり連結純資産490円がリーマンショック前の水準である。

 

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