3、4Q尻上がり CKD 12月10日 (2014.12.09)
サプライズ持ち越し
成長市場踏まえ仕込み急ピッチ
CKD(6407)はリーマン越え。次世代の仕込み急ピッチ。今、来期続伸の見通し。東京エレクトロンとアプライドの統合期日が12月30日から来年3月24日に変更され3、4Q尻上がり。前向きに受け止めている。1、2Q端境期の半導体や消費増税の影響、中国の設備受注も採算が悪化するなど気を揉んだが、3Q以降一般のセンチメントと裏腹に半導体、包装機械、中国の受注など巻き返し。予想以上の円安や子会社の決算を勘案すると上方修正も考えられる。このため、新中期計画の連結売上高850億円、営業利益90億円(2016年3月期)が陳腐化。来夏にも海外・国内拠点整備完成。追って本格稼働が見込まれ、償却負担増を加味してもピーク更新が視野に入った。リーマン前、連結売上高1042億円、営業利益129億円(07年3月期)を計上。当時、液晶バックライト約300億円の貢献が印象に残る。これに対し、今回医療・医薬、環境エネルギーなど成長市場を踏まえ、国内外延べ100億円にのぼる設備投資(拠点整備)が目玉。7、8年前の大型投資に次ぐもので回り出すと大きい。そういえば、12月5日発売された「エコブリスタCFF-360E」も、3Dはんだ印刷検査機と並び新事業育成の一環。20年振りリニューアルで、省エネ・省資源を実現する個食向けの食品包装機械だ。拠点集約効果と最新鋭機械更新に伴う生産性向上が収益構造を強化する上で核心に迫るもの。本社に取材の際、二つの建屋を一つにする工事で弾けるような槌音が新鮮に響いた。さらに、昨年1月立ち上げたメンテナンス子会社が60人規模でフル稼働。手が足りないという。顧客ニーズにこたえるもので、高齢者雇用が自動機械の収益にも貢献し、2012年4月導入した生涯現役制度が機能している。今期、自動機械160億円(計画170億円)、機器640億円(同630億円)に修正。海外200億円(2Q累計100億円突破)計画通り。大手顧客の東京エレクトロンとアプライド統合が年度末になり、前回述べたサプライズを来期に持ち越した。
2015年3月期(連結)は、売上高800億円(6%増)、営業利益85億円(7.8%増)、経常利益同(4.5%増)、純益55億円(0.8%増)に修正なし。4円増配し22円配当(期末11円)の予定。配当性向を25%に引き上げた。設備投資77億円(前期58億円)、償却32億円(同25億円)の計画。来期も更新30億円を含め50~60億円レベル。ベトナム、インドネシア、インドは始まったばかり。円安がトータルでプラスに跳ね返るという。2014、15年調整運で梶本社長(58)も同運。仕込みに専念している。一方、東京エレクトロンが来年から3年盛運。何が起きるか興味深い。日刊工業新聞の2014年モノづくり部品大賞で、同社の小型ダイレクトドライブアクチュエータAX6000Mシリーズが奨励賞に選ばれた。実質無借金だが、システム改善や人材開発に意欲。今年ベアを実施し、従業員の間でモチベーションが高まっている。06年2085円を上場来高値に09年248円で底入れし、今年1月1215円(半値戻し1166円)まで戻した。リーマン越え、全値戻しにつながる。