証券ビュー

企業レポート

絶好のポジション  アイカ  12月3日 (2014.12.02)

駆け込みの反動こなす 

世界のアイカをテーマに本格化

企業HPご案内   前回の企業レポート

アイカ工業(4206)は連結続伸。5期連続増収増益で折り返しピーク更新。駆け込みの反動をこなした。10月の住宅着工12.3%減。8ヵ月連続マイナスだが、国内の非住宅と成長分野、海外、機能材料の伸びで吸収。3、4Q 強含み。増収を確保する一方、原料ナフサが一段安。円安を加味しても中長期明るい材料。販管費の改善にもうかがえる。創立80周年に向けた4ヵ年の中期計画。連結売上高1500億円、経常利益170億円、ROE9.5%、海外売上高30%以上(2017年3月期)を目前にとらえた。国内で医療・介護施設中心に非住宅(構成比45%)、補修・補強を成長分野に提案活発。機能や品質のほかデザイン、意匠も受けている。買収2年、AAP(アイカ・アジア・パシフィック)が予想以上。2014年12月期の売上高362億円(10.5%増)、営業利益29億3000万円(8.3%増)の見込み。このほか、5月にインドネシアのメラミン化粧板新工場が稼働し販路拡大。インドでも化粧板が中東を含め2ケタの伸び。海外事業トータル456億円(10.9%増)の計画。実現すると31.7%になる。直近4期「世界のアイカ」をテーマに脱皮を重ね、2016年(創立80周年)を待たず本格化。絶好のポジションにつけた。次のステップを踏まえ今、来期が新たな転機になりそうだ。例えば、同社のコアテクノロジーといわれる樹脂技術。太陽電池用・自動車シール材、電子材料、有機微粒子など機能材料が非建築分野をリード。応用が広がっている。今期63億円(13.7%増)を見込み、中期計画で90億円レベル。このうち有機微粒子が化粧品やLED,自動車向けに高い伸び。非建築を巡る先行指標になった。

2015年3月期(連結)は、売上高1440億円(2.1%増)、営業利益148億円(1.9%増)、経常利益150億円(1.7%増)、純益94億円(4.3%増)と従来通り。2円増配し40円配当(中間20円)の予定。設備投資35億円(前期39億円)に見直した。通常の更新20億円にAAPと中国、インドネシア、タイなど健全な印象。2年前、旧ダイネア7ヵ国16工場を136億円(のれん代59億円・5年償却)で取得し積年の海外に打って出た。経過が順調なため、今後毎期100億円規模の内部留保が見込まれ、自己株(前期末234万株)取得も考えられる。来年前半まで上昇運が続き後半から調整運。小野社長(58)が来年から盛運だけに注目される。1月30日、3Q発表の予定。前回紹介した「プラスワンダー」が受けているほか、バイオマス化粧板を開発し話題を呼んだ。11月28日、名古屋で建築家の竹原義二氏を招き講演会(参加費無料)を実施。1983年から30年以上続いている。国内外著名な講師を迎え、毎回レベルアップ。取引先が多く交流を通じて意思疎通を図っている。

>>購読ご案内