証券ビュー

企業レポート

反転攻勢入り アイカ工業   5月16日 (2011.05.16)

予想以上の増益が手がかり

新市場と海外増強に手ごたえ

企業HPご案内 企業レポート

 

アイカ工業(4206)は続伸。締まってきた。前期連結2ケタ増収、予想以上の増益が手がかり。化成品、建装材、住器建材、電子部門すべて該当し、4期ぶり反転攻勢に入った。昨年6月小野社長(54)中心に新体制。コアの樹脂技術を基盤とする建装材メーカーから脱皮。自動車、家電、通信など新市場開拓とマレーシア、インドネシア、中国を結ぶ海外生産拠点増強に手ごたえ。ファインケミカルシフト。信越化、JSR(旧合成ゴム)を目指すといわれる。逐一実績があがってきた。リーマンショックを吸収し、東日本大震災が次のターゲット。建設経済研究所によると、11年度の住宅着工は85.2万戸(3.8%増)の見込み。原発事故が収束すると復興需要も本格化。12~14年にかけてもうひと山考えられる。しかし、当面は慎重。米欧金融不安再燃、円高、東電福島に続き中電浜岡も原発停止が決まるなど復興先送り。そこで、今年の社運を調べると、ジャンプ。来年、再来年マイペースに戻りもうひと山。非常に適応力があるという。社長もいい。自分を売り込み、これまでの努力が実るチャンス。トータル16年(80周年)に向けて2度目の事業確立期とみられる。

11年3月期(連結)は、10%増収、24%営業増益、23%経常増益、21%増益。1月31日の修正予想も上回った。直前期大幅に損益分岐点が下がり、震災直後にしては立派なもの。12年3月期(連結)は、売上高950億円(6%増)、営業利益95億円(2%増)、経常利益97億円(同)、純益56億円(3%増)の見通し。さらに2円増配し34円配当(中間17円)の予定。昨年12月末、五洋インテックスを持ち分法対象から外している。気になるのが新市場開拓、海外生産拠点増強。前者が自動車、家電、太陽光発電パネル向け接着剤や携帯用保護膜。後者は110億円(13年3月期)レベルに引き上げる計画。M&Aにも前向きだ。3月1日1146円を戻り高値に1000円飛び台後半のもち合い。1、2Q動きが鈍いものの、3~4Q、来期もビジネスチャンス。1Q発表(昨年7月30日)が楽しみだ。

>>購読ご案内