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企業レポート

一段と締まる  文溪堂  11月28日 (2014.11.27)

結果出始めた折り返し 

次のテーマでビッグイニング

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文溪堂(9471)は最高。5期連続連結増収、3期振り同増益の折り返し。一段と締まってきた。学力低下をもたらした「ゆとり教育」20年の修正場面。移行措置2年を踏まえ、新要領完全実施から小学校4年目、中学校3年目でピーク更新。結果が出始めた。1、2Qに1、2学期品と上下刊・年刊品の売り上げが計上されるためだ。3、4Q在庫処分を念頭に慎重だが、教具のコストダウンが見込まれ強含み。さらに増配の公算が大きい。教育現場のニーズにこたえるもので、基礎・基本の定着や知識・技能を活用する力の育成に傾注。定評あるテスト・ドリルに指導と評価を支援するソフトも重宝された。出版(2Q累計連結10%営業増益)が健闘している。一方、40年以上実績のある「裁縫セット」や「家庭科布教材」、「画材セット」など教具(同17.6%営業減益)の採算改善が急務という。同3.6%増収だけになおさらだ。4月に「全国学力・学習状況調査」が実施され平均底上げしたが、同社はトータルでレベルアップ。教育改革の一環として、道徳と英語の教科化、教育委員会制度や土曜授業の復活など次のテーマに取り組んでいる。来年度からで使用される教科書ページ増のほか防災・減災や伝統・文化など盛沢山で教師の負担も大きい。それだけに、ビジネスチャンス。創業1900年。寺子屋がルーツといわれ、60年振り教育基本法改正、6・3・3・4の学制変更にも動じない。直近5期連続増収が物語るもので、来年から運気好調。道徳担当のベテランも張り切っている。移行措置2年で先取点が入り、完全実施になって追加点。今後、道徳や英語の教科化など次のテーマでビッグイニングも考えられる。バムとケロ20周年、シリーズ累計480万部。市販図書が一服している。日本の学校教育は成功しているといわれ、フランス革命直後がモデル。国家統一のためフランス語を標準に公教育を実施。マンパワーを動員して税収を確保した。日本は戌辰戦争後に標準語を採用。言語統一のもと、学校教育で封建社会を振り切った。ともすれば、単一の価値で構成員を序列化するといわれるが、学校の成績で人生が決まるわけがない。今後義務教育の記憶や演算能力がコンピュータやロボットなど人工知能に圧倒される時代。医者や弁護士、新聞記者も上がったりだ。三つ子の魂百まで。3歳児まで言語をはじめ学習能力が高いためで、幼児教育がポイント。同社は初等教育に強い。

2015年3月期(連結)は、売上高112億4000万円(0.6%増)、営業利益6億9000万円(3.2%増)、経常利益6億8500万円(2.6%増)、純益3億8000万円(3.2%増)に修正なし。配当19.70円(中間9.85円)の予定。3、4Q締まると来期1、2Qに跳ね返る。来年教科書改訂、2018年次の指導要領(16年公示)を巡り踊り場。毎年1Qで1年決まるといわれ、来期も増収増益を目指す。

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