区間新の折り返し 岡谷鋼機 10月8日 (2014.10.07)
連結純益ピーク更新
5期連続増収増益の見通し
岡谷鋼機(7485)は好調。2Q連結累計区間新の折り返し。計画を上回った。国内10.1%、海外取引7.2%の高い伸び。前期それぞれ4.2%、15.9%だけに国内がリード。採算の改善も目立つ。全体の4割強を占める鉄鋼が国内の土木・建築関連と自動車関連中心に1695億円(13.6%増)。通期でも計画通リ3470億円(12.2%増)の見込み。「後半いろいろあるが大きな変化はない」と岡谷社長(70)。国内が政策効果、海外は米国の景気回復が主因。消費増税の影響がある中、国内2ケタの伸びに驚いた。自動車の場合、逆風が伝えられる中国で市場拡大が続いているという。3割弱を占める産業資材の方が営業利益の絶対値が大きく27億円(20.3%増)を計上。メカトロ、化成品ともに自動車関連が大半。タイの政情不安を受けて子会社や持分法収益の後退が気になる程度。何より日経平均が583円上昇し有価証券の含み益46億円、受取配当金も5億円近く増加し追い風になった。液晶低迷で苦戦中のポーランド、設備投資しながら巻き返し。自動車関連に活路を見出すという。8月1日メキシコ現地法人設立を発表し9月4日設立。9月26日には宮城県でトマトを生産する農業生産法人を設立した。将来の布石を打っている。将来といえば、リニア新幹線を巡る名古屋駅スーパーターミナル構想。名古屋市が16年度に整備計画をつくるといわれ、地元の利害調整に難航が予想されるものの、何らかの形で同社もビジネスチャンス。仲を取り持つとみられる。それに、エアバスやボーイング、三菱のMRJなど地元愛知・岐阜両県にまたがり航空機産業の集積も急ピッチで進む見通し。10、20年後自動車産業を猛迫すると考えられ、モノにすると全体のレベルアップにつながる。現在、機能材料の一部を取り扱っている模様だが、この先本格参入となれば強力なインパクト。スケールが大きいだけに夢のあるビジネスになりそうだ。一方、現実的な取り組みとして円安定着に注目。消費税の影響を勘案しても、輸入より輸出取引に分があることは明らか。輸出に力を入れるという。
2015年2月期(連結)は、売上高8000億円(7.5%増)、営業利益150億円(7%増)、経常利益170億円(1.5%増)、純益110億円(7.4%増)と従来通り。純益ピーク更新、5期連続増収増益の見通し。配当は中間15円、期末75円の予定。9月1日付で普通株5株を1株に併合し、同日単元株式数も500株から100株に変更。実質増配する。設備投資26億円(前期29億円)に上方修正した。タイ、米国、ポーランド、樹脂成型用金型増強が見どころ。来年も上昇運だが、国内取引が2ケタ伸びたため踊り場とみられる。2017年(設立80年)と19年(創業350年)が節目。人材が豊富だけに面白い。