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企業レポート

反転目前 矢作建設   6月21日 (2011.06.21)

来年度以降かさ上げ

インパクト大きい耐震補強事業

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矢作建設工業(1870)は反転。目前とみられる。3・11以降情勢一変。震災の影響が広がっているためで、同社の場合、耐震補強が建設事業の45%(前期連結236億円)を占めるだけにインパクトが大きい。ピタコラム232億円とウッドピタ事業。直近3年で2倍強に伸びた。これまで優先された学校耐震化がピークを迎え、今期減収の見込みだが、震災に伴う学校耐震化繰り上げ、病院や庁舎の防災拠点、集合住宅など耐震施工の引き合い旺盛。ブレース(筋交い)なしの新工法を開発し特許、技術評価(日本建築防災協会)を取得したことから採用もふえている。それに、木質系戸建住宅向けウッドピタも施工した被災地の損傷がほとんどなく、1件ごと具体的な調査報告が同社のHPでヒット。Webによる相談、紹介件数が急増した。国や自治体向け補助金申請もはね上がっている。このため、復興需要が本格化する来年度以降かさ上げ。反転の公算が大きい。マンションでも耐震化の関心が高まり、今期契約ベース518戸(34%増)の計画で上昇トレンド入り。さらに中古マンションを1室単位で再生し、同じレベルの新築より3~4割安いリ・バースマンションを年100戸供給の見込み。このほか、ゴルフ場管理も前期22(29%増)から35コースに拡大。デザインC、公正な経営を通じてプロの自覚が浸透してきた。前期の連結完工総利益率22.5%(3.4%増)と最高。有利子負債349億円(19%減)も見どころ。直近2期連結27%減収だが、収益と財務改善が目立つ。官庁受注高は、前期連結でも34億円(15%減)と6%に過ぎず、仮説と検証による提案の対象から外れている。

11年3月期(連結)は、20%減収、15%営業減益、同経常減益、5%減益。売上高を除き予想を上回った。09年(60周年)を節目に次世代の仕込み活発。顧客の真の需要を見極め、これに応える独自の商品、技術を開発し提供するもの。たとえば、連結子会社ヤハギ道路のクールベーブ。打ち水効果で路面温度の上昇を長期間抑制する技術。保水材は産業副産物を再利用し、マンション駐車場や造成地の街路等にも採用されている。12年3月期(連結)は、売上高670億円(9%増)、営業利益39億5000万円(10%減)、経常利益34億円(同)、純益16億円(16%減)の見通し。配当は14円(中間7円)を据え置く予定。自重した印象だが増収に手がかり。1Q(昨年7月9日)、2Q発表(同11月4日)が注目それる。社運は今年調整、来年後半から上昇運。社長は昨年から上昇運。6月3日370円を安値に底固めに入った。

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