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企業レポート

基本に返り見直し一色  カネ美  9月17日 (2014.09.16)

一線を画した足取り 

全国展開が本格化すると見もの

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カネ美食品(2669・JQ)は反転。ユニーグループと一線を画した足取り。16日3195円をつけ戻り高値を更新した。スーパー40年以上、コンビニでも30年以上蓄積したノウハウが国内中食8、9兆円市場に浸透中。百貨店、駅ナカ・駅ビル、鉄道系コンビニ、さらに生協の宅配など納品拡大。8月6日、商品売買等で基本合意したファミリーマート(8028)約50店舗に対し、同社が展開している「イーション」プロデュース3アイテムの弁当を同26日から納品開始。野菜、盛り付け、彩りにこだわったもので、予想以上のアタリがきている模様。有力な手掛かりとみられる。前期、ユニーグループがテナント事業の86.3%、外販事業でも90.6%を占めるだけに新鮮な印象。同期、鉄道系コンビニ41.4%増、生協2.37倍の高い伸びが支援材料。セブン・イレブンのグループ25工場にひきかえ、3大都市圏中心に15工場持ち全国展開が本格化すると見もの。ファミリーマートを口火に後続オファーが注目される。前回述べたように、昨年6月チルドを多治見工場に集約。同9月、本社を名古屋市緑区徳重に移転。翌10月、連結子会社エスジーダイニングを吸収合併。事業再構築に舵を切った。これまで社長直轄の商品企画本部を通じて人材育成と商品戦略を積み重ね、今期改めて基本に立ち返り見直し一色。8月6日の1Q発表を受けて2Qも計画線というが、テナント・外販事業ともにユニーグループの伸び悩みを加味したもの。現在やるべきことをこなせない店が半分以上といわれ、むしろ3、4Qと来期楽しみだ。ヒット商品を紹介すると、テナント事業で5年連続トップの「イベリコ豚重」(税込1100円)。外販事業では「GOZEN」シリーズが定着。既存店見直し、人材育成に明け暮れている。1997年の消費増税当時、百貨店やスーパーで1年既存店売上高がマイナスになったのに対し、惣菜レベルで見ると、4月前年同月比102%、5月104%、6~7月も103~102%台(スパーマーケット統計調査・食品スーパー3団体合同集計)。4~8月累計でユニー98.0%、サークルKサンクス95.7%に拘らず全社合計100%を確保している。

2015年3月期(非連結)は、売上高853億8100万円(0.9%増)、営業利益25億700万円(2.1%減)、経常利益26億100万円(2.8%減)純益13億300万円(8.4%増)の見通し。配当50円(中間25円)を据え置く予定。設備投資5億9500万円(前期14億5200万円)の計画。今年後半から強い上昇運。3年続く見込みだ。セブン・イレブンがおにぎりなら、同社は弁当で対抗。行程が多いだけに独自のノウハウがある。店内調理、定番をおいしくが原則。地味で目立たないが、確かにいいものをつくっている。

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