FRB議長の時間稼ぎ ミニパニック9月に持ち越し (2011.08.30)
国内外、手詰まり。小動きで始まり民主新代表を巡り買い戻し。引けにかけて伸び悩んだ。にもまして、26日追加緩和を先送りしたFRB議長の時間稼ぎ。9月20日のFOMCを2日間にして再検討するという。さすがに旗色が悪い。今週2日発表される米雇用統計もそうで、7月から禁断症状が出始め、金融政策一辺倒で好転するわけがない。さらに、29日選出された野田新代表。原発事故処理、復興、財政再建など内政だけで手一杯。依然現行の延長上にとどまり、自ら政策を命懸けで実現する決意が伝わってこない。このため、米欧や中国を含め先進国、新興国挙げて消耗戦。持久力が焦点になってきた。つまり、現状維持、持続可能かどうか精神、体力を問われる場面。日本の場合、震災と原発事故のあげく、8月から80円割れの円高に見舞われ陰の極。最後の円高とみられ、来年2月に転機を迎えると述べた。これから半年、海外もデフレをかぶり正念場。自他ともに円や金先物と同様限界を探るところだ。ちなみに、米国財政の現状。日本よりずっと悪化している。公表された国債と州政府債務のGDP比率87%に対し、ファニー・フレディなど政府支援や保証対象の負債をまとめると263%。企業や家計の負債を加味すると311%にのぼるという。今後ユーロ圏がデフォルトに追い込まれるとドル高。ドル安にしてインフレ政策を進めることが困難になる。このため、米国経済はデフレになるのが早まるという。そのデフレ、1930年型という。事実上の独占企業が多いためで、容赦なく生産削減され、国民の生活が劇的に落ち込むおそれがある。FRBの資産は、現在ざっと2兆9000億ドル。このうち約半分の1兆2500億ドルが不動産担保証券。商業用不動産といわれるもので実質半値。時価6000億ドルに過ぎないという。要するに、米欧の日本化は事実でケタ外れ。彼らは困ったらもっと借り、さらに困ったら踏み倒すという手口。ともすれば、企業の方が国家より安全という大変な時代。2日の米雇用統計発表が次の関門になる。
日経平均は53円高。後場伸び悩んだものの8851円の引け。出来高19億5400万株、売買代金1兆1800億円。円ドル76円台半ばの重しがきいている。持ち駒の■■■■■■■(****)158円、■■■■(****)380円ともに堅調。■■■■■(****)113円、■■■■(****)315円時期尚早。■■■(****)1988円、 ■■■■■(****)1万2190円も日柄調整中。むしろ、■■■■■■(****)が3395円としっかり。海外生産が進み円高の影響ほとんどなし。2Qも好調である。8月に入り調整中の■■■■■■(****)。受注好調で見直し必至。今期増配の公算が大きい。内需関連は■■■■(****)が168円。一服している。復興特需の一番手といわれ、大取り組みが続いているが、243円カイから2段上げとみられ出番待ち。■■■■■(****)も661円で引け、痺れを切らして胡坐をかいている。それにしても、スイス。スウェーデンやデンマークのようにユーロへ加盟しなかった理由は、永世中立国として通貨同盟に参加しないという建国来の伝統という。しかし、時計とネスレ、ロシュのほか脱税用匿名口座と観光で稼いでいる国。プライベートバンキングが危なくなってきたという。9月2日の米雇用統計発表、次のFOMC次第で円、金先物、スイスフラン3強のランキングも変わる。8月のミニパニックは9月に持ち越しだ。(了凡)