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企業レポート

最高の折り返し  OSG  8月19日 (2014.08.18)

受注に生産追いつかず 

航空機関連のテイクオフが決め手

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OSG(6136)は2Q連結区間新。売上高は過去最高額を更新して折り返し。受注に生産が追いつかないという。主力ユーザー自動車のほか航空機増産が主因。直近、消化に追われた2005~6年のピークと肩を並べる水準。9~17日夏休みを取り英気を養った。旧盆明け慎重だが、3、4Q高水準とみられ前回述べたように更新射程圏。伸び推定20%以上、全体の8~9%といわれる航空機関連のテイクオフが決め手。ハイエンドな上、ボーイングやエアバスなど増産を受けてボリュームアップ。次世代の稼ぎ頭になりそうだ。20年前手探りだったCFRP(炭素繊維強化プラスチック)、チタン合金の切削加工がフロンティア。愛知県がトヨタ(7203)をはじめ自動車関連、重工(7011)や川重(7012)など航空機関連でもメッカだけに、戦後70年の技術集積が群を抜いている。同社の場合、1968年米国シカゴを口火に世界29ヵ国のグローバルネットワークが魅力。つくって売るだけでなくアフターサービスを積み重ね大手ユーザーを開拓してきた。そして、主力製品ごとボリュームゾーンでシェアを伸ばすフラッグシップ製品戦略が中期ビジョンの特徴。Aタップは既に世界市場へ投入済み、今年10月にはドリル、その後エンドミルも登場する。連結売上高1000億円のグローバルプレーヤーに脱皮。実現すると、M&Aで新たな展開も考えられる。現在、ブラジルとタイを除きすべての地域で活況。出遅れていた欧州で2Q連結累計38%増収が印象に残った。消費税引き上げの影響は殆ど無いという。受注消化が課題。月産タップ130万本フル稼働の八名(やな)工場、超硬工具の大池工場を増強、航空機関連の追加投資を行う。設備投資は期初計画63億円を上振れる。次期75億円レベル。来年から3年社運好調のため相当なリターンが予想される。石川社長(58)も同運で一体だけに弾みがつきそうだ。

2014年11月期(連結)は、売上高960億円(9%増)、営業利益150億円(17%増)、経常利益154億円(11%増)、純益86億円(0.2%減)と従来通り。記念3円を落とし28円配当(期末14円)の予定。前回ボーイングが次世代777Xを巡り、東大と国内8社に共同開発を持ちかけ同社も一員と紹介した。今回、7月14~20日英国ハンプシャー州「ファンボロー国際航空ショー」に初出展。カーボンコンポジット材、アルミ製ハニカム構造材を加工するドリルなど注目を集めたという。パリ国際航空ショーと交互に開かれ、民間機と軍用機の商談でも有名。馴染みになると受注に跳ね返りそうだ。2Q連結累計の海外売上高53.3%(前期53.5%)。2005~6年当時40%前後で海外シフトが目立つ。7月31日、自己株を300万株(約3%)消却し締まってきた。1月23日の年初来高値2094円が指呼の間。上場来高値(06年1月6日)更新も視野に入った。3Q発表(10月9日予定)が楽しみだ。

 

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