一変した体質 中央紙器 11月30日 (2010.11.30)
10円増配し33円配当
磨きかかる梱包プロセス改善
中央紙器工業(3952)は好調。1、2Q連結区間新を更新。3、4Q慎重だが、10円増配し33円配当の予定。直前期から事前対応し、リーマンショックを通じてもう一皮むけた。猛烈に落ち込んだ09年1~3月の反動もあるが、8月23日述べたように、同ショック1年前に取り組んだ在庫・出荷業務の内製化がきっかけ。損益分岐点が大幅に下がり、上期の連結営業利益率12・3%。2ケタ増収にかかわらず、販管費の伸びわずか0・7%。体質が一変した。売上の拡大、生産性向上、海外拠点の充実など10年来重点取り組み事項が本格化。ワールドスター賞の常連として梱包プロセス改善に磨きがかかる。事実、目からウロコの提案が多い。3、4Q慎重だが足もと高水準。国内でNECの関連会社、海外でもゼブラ、沖、シャープなど新規受注した模様で、10月から愛知県の経済連が同社の開発したいちごパック(3代目)を標準採用。影響が注目される。一方、過半を占める自動車関連。トヨタ(筆頭株主)は3Q落ち込みを認めながら4Q強気という。その点、神谷社長は「来年も売上拡大が課題。海外にも現地ニーズにこたえる開発拠点をつくり、国内はブランド、プレゼンスを高めたい」と意気軒昂。11月16日に年初来高値770円(連結1株当たり純資産1471円)をつけ、さらに上値をうかがう動きだ。
2Q連結累計は、11%増収、42%営業増益、41%経常増益、67%増益。計画を大幅に上回った。国内が自動車関連中心に7%増収、海外も中国の電機・機械関連向け32%増収に伴うもの。中間配当16円(7円増配)を実施する。11年3月期(連結)は、売上高130億円(4・5%増)、営業利益14億円(13%増)、経常利益14億5000万円(12%増)、純益8億円(21%増)に上方修正。期末配当17円で計算すると利回り4・4%になる。現在、17年(60周年)に向かって動乱期のさなか。来年は前半上昇運が続くものの、後半乱気流が起きやすいという。スピードがものをいいそうだ。3Q発表(前期2月9日)が注目される。