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企業レポート

 1Q区間新   中央紙器   8月23日 (2010.08.23)

レポートスペシャル

リーマンショックはね返す

1年前から固定・変動費を改善

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中央紙器工業(3952・名2)は好調。1Q区間新のスタート。早々リーマンショックをはね返している。自動車や家電など政策支援、得意先に恵まれたせいもあるが、同ショック1年前から固定・変動費改善に取り組み、懸案だった外注を内製化。段ボール原紙はじめ材料費が比較的落ち着いているのも手がかり。09年1~3月猛烈な落ち込みを経験しただけに、回復ピッチも予想以上。前期2Qから尻上がりになっている。たとえば、製品の在庫管理・出荷業務を従来請負3社でこなしていたのをすべて派遣化する事により内製化。損益分岐点が大幅に下がったという。営業サイドでも商品一つひとつ大切に扱うようになった。半世紀有余信用、蓄積の延長というが、MCと呼ばれる並み外れた商品開発力に定評があり、09年自動車用バッテリーと防犯カメラの梱包改善でワールドスター賞2作品受賞。6月に北京で表彰を受けたことも支援材料になった。今年もワールドスターへのエントリーが3作品決定しているという。例年国内350の予選、海外でも30ヵ国出展があり、昨年まで7回連続受賞。目からウロコの作品ばかり。省エネやコスト改善など実用性はピカ一だが、意匠、デザインの工夫もほしいところ。常に段ボールの可能性を最大限ひき出し、顧客の物流コストを改善。喜ばれた分、利益になってはね返るしくみだ。

事実、1Q連結14%増収、60%営業増益、55%経常増益、88%増益と最高。営業利益率12.4%とハイレベルな生産性が目立つ。国内(11%増収)より中国(31%増収)の伸びが高いものの、現地では日系のほか欧米、地場メーカー相手に価格競争。それでも日系以外の新規受注が増えている。邱常務の担当域で獅子奮迅の活躍という。国内の段ボール需要は年128億?程度で頭打ちだが、中国が目下12%成長といわれ伸び盛り。国内と香港、マレーシアを結ぶ生産拠点がいいロケーションになってきた。

11年3月期(連結)は、売上高120億円(3.5%減)、営業利益10億円(19%減)、経常利益11億円(15%減)、純益6億5000万円(1.5%減)と5月13日発表通り。2Qを踊り場に3Q落ち込むという定説を念頭に慎重。前期6円増配したが、23円配当(中間11円)を据え置く予定。07年(50周年)を節目に動乱期に突入。今年は上昇運でピーク更新の勢い。このため、3Q以降も事前対応で乗り切れる見込み。むしろ来年後半要注意という。8月11日750円(1株当たり連結純資産1429円)を高値に小甘いが、連結最高益更新も考えられるだけにしっかり。2Q発表(昨年11月11日)が待たれるところ。高値更新の公算が大きい。ダイナパックとの提携は国内、海外も補完関係にあり、年間数億円の取引という。トヨタ(97年4月から筆頭株主)の関連会社に違いないが、思ったより相関度が低いだけに面白い。商品開発力ならレンゴーにも引けを取らない。今、来期何かやりそうである。

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