受注急増し活況 名工建設 6月24日 (2014.06.23)
大規模改修で初動形成
減益予想に拘らず前途洋々
名工建設(1869)は活況。前期連結最高。今期高水準。中長期ピーク更新の見通し。受注急増によるもので、前期1115億円(37%増)にのぼり、JR東海の新幹線大規模改修工事3年分(336億円)が口火。前社長の新幹線保守、維持・補修を巡る安全確保が評価されたといわれ、前期28億円消化し今期140億円の計画。本格施工に入り目一杯の模様で通期受注高660億円が目安。前回述べた大きなアタリがきている。前年度着工したJPタワー名古屋(旧本社跡地再開発)、今年度着工するリニア新幹線を加味すると、計画で2015年10月大名古屋ビル(175m)、同11月JPタワー(196m)、16年11月JRゲートタワー(220m)施工後に第2幕。27年品川―名古屋リニア開業に向け軌道工事(ガイドウェイ設置)受注が見込まれるほか、地元名古屋駅周辺でスーパーターミナル構想具体化。それに、NEXCO(中日本高速道路)の今後15年大規模更新・改修工事(総事業費約3兆円)や官公庁向け耐震補強工事も手掛かり。記録的なビジネスチャンスを迎えた。労務費・資材高騰、技能工不足に際し受注競争力、収益力、信頼性確保で対抗。今期連結減収減益予想に拘らず前途洋々。願ってもないポジションと考えられる。リニアの場合、27年開業を前提に着工するが、大阪猛追が伝えられ、全線開通し三大都市圏が結ばれてこそ経済効果(試算50年で16兆8000億円)という正論も事実。それに、リニアはペイしない。新幹線と共倒れになりかねないとの声が気になる。このため、今、来期締まると新たなステップ。今年後半から3年上昇運だけに期待をもてる。
2015年3月期(連結)は、売上高850億円(3.5%減)、営業利益27億円(5%減)、経常利益28億円(9.5%減)、純益15億5000万円(17%減)の見通し。前期1円増配しており11円配当(中間5.5円)を据え置く予定。野田社長(65)が来年から運気好調。ダイナミックな展開になりそうだ。大規模改修工事を完成しJR東海の期待にこたえる一方、経常3%を目安に収益力を確保するのが課題という。最近官公庁の受注が目立ち、これまでの業績や現場対応が評価されている様子。同社最大の顧客(JR東海)に揉まれ、安全と信頼のレベルが高い。今期減益予想も要員不足が主因で、今後900億円、1000億円こなす姿を見たいものだ。時価総額191億円(連結純資産269億円)。5月1日815円に駒を進め初動を形成。第2、第3波が予想される。