米国進出のうわさ アイカ 6月17日 (2014.06.16)
化成品に経営資源集中
初年度で射程圏の中期計画
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アイカ工業(4206)は堅調。1Q消費税の反動軽微。小幅続伸の見通し。前期2Qから土曜出勤となり1Q解除。実際には2月から駆け込み需要が発生し工事の遅れを消化。むしろ、2Q反動が考えられるという。前期まで3期連続連結最高益更新。国内のほか海外でもAAP(アイカ・アジア・パシフィック)とインド、インドネシアに地歩。今期の海外売上高31.2%(前期29.2%)、住宅55%に対し非住宅が45%に上昇。海外、非住宅が過半を占めるとグローバル、成熟化のポイントになる。2016年(創立80周年)にかけて2度目の事業確立期。中期計画の連結売上高1500億円、経常利益170億円、海外売上高30%が同計画新年度で射程圏。今、来期非住宅、成長分野、海外、さらに機能材料の取り組みが課題という。新ブランド、プラスワンダーが印象的。12、13日名古屋支店で開催された新商品発表会。毎年100万人以上、会期中レストランが深夜過ぎでも営業中というミラノサローネ2014のデザイン(全43アイテム)を紹介している。直訳すると嬉しい驚きだが、高感度な欧州のファッションを家具やメラミン化粧版に演出。新たなトレンドがほぼリアルタイムでわかる。7月のアイカ現代建築セミナー「小さな建築」(隅研吾)(東京17日・大阪25日)も呼びもの。同社の製品は90%以上環境対応型だが、グッドデザイン、高意匠にも見どころ。改良、改善の積み重ねがジョリパット、セルサス、セラールなど既存製品の強みになっている。一方、4月1日付けでプリント配線板事業(前期48億円)をファンドに売却。電子材料(7億円)を化成品事業に取り込み機能材料、有機微粒子と並び強化する。これで国内、海外、機能材料の事業区分がすっきりした。今期は海外がAAP356億円(9%増)、その他94億円(11%増)、しめて450億円の計画。収益が噛み合っているため、国内も非住宅、成長分野、機能材料に打ち込める。
2015年3月期(連結)は、売上高1440億円(2.1%増)。営業利益148億円(1.9%増)、経常利益150億円(1.7%増)、純益94億円(14.3%増)の見通し。さらに2円増配し40円配当(中間20円)の予定。設備投資45億円(前期39億円)の計画。電子が抜け化成品740億円(6.7%増)、建装材320億円(4.9%増)、住器建材380億円(4.1%増)の見込み。化成品事業に経営資源を集中し求心力が感じられた。米国進出のうわさが思惑材料。2012年末、満を持してダイネア・ケミカルズのアジア太平洋部門(8ヵ国17工場)買収に成功した経緯から検討中とみられる。依然、上昇運。小野社長(57)が来年から運気好調だけにこの儘で収まらない。