昭和の風林史 (昭和四七年六月三日掲載分) (2014.06.10)
次は青田ほめ 取り組みも悪い
今月の10日過ぎから
青田ほめの崩れがきっとあるはずだ。
千円下げは見えているように思う。
「光りつゝしづみゆくなる源五郎 玲人」
どう見ても、ここのところは
五、七百円安をする小豆のように思える。
先限の一万一千三、四百円。九・十月の一万三、四百円。
気にかかっていた低温、降霜も、
この分では無事通り抜けられるだろう。
六月五日は名古屋は熱田神宮の御礼祭。
毎年このころから小豆相場は活発な動きに転ずる。
北海道の天候のほうを見ていると、
日中の気温は高く、
発芽期も、気にはされながら15日の別れ霜、
札幌神社の祭礼も無事過ぎそうだ。
しかも10日を過ぎると春の交易会で
契約した中国小豆の入船がある。
本来なら減少していく在庫だが
減った分だけ輸入されている格好だけに
端境期の品ガスレという楽しみがない。
しかも、定期相場が高ければ、
すかさず北京商談で契約を進める段取りが出来ていて、
まったく上値に対しての妙味がない。
下値のほうも、一万円そこそこ、
あるいは一万円割れのあたりには、
値ごろ観もあって、
買い下がろうとする動きもあるから
結局は一万円近辺は買い。
一万一千円台は売り上がりの逆張りということになる。
九月限一代の足取りを見ても判然としているが、
一万八百円中心のもちあい相場に型がはまってしまった。
一万三百円以下は買って、
一万一千三、四百円以上は売ってさえおけばよい。
そういう実績から、先限の11月ものも
一万二千二、三百円は売り、
一万一千二、三百円以下は買いでよいかもしれない。
まあ、大きくも取れないが、
頭をかかえこむような損も出ないだろう。
数年来、天候相場といえば火を噴いて続騰し、
市場の維持が心配されたけれど
今年の場合は、比較的穏健な天候相場になりそうだ。
さて、窓あけて飛んだところは
相場の定跡どおり穴埋めする。
週明け五日の在庫発表も
買い方に味方するような要因にはなりそうもないし、
不需要期に向かうのに輸入が続いては、
これはひょっとすると、
天候次第で十月限の九千五、七百円という安値を
付けるかもしれないと思うのだ。
しかも取り組みは大衆筋のベタ買いである。
10日過ぎからきっと青田ほめの崩れが入ることだろう。
●編集部注
上下は関係ない。
棒上げ、棒下げ局面は相場の節目。
必ず反動が来る。
本当の相場は、
その反動の後から作られていく。
【昭和四七年六月二日小豆十一月限大阪一万一八一〇円・一七〇円安/東京一万一七八〇円・一九〇円安】