ペプラカップ高い伸び
10月以降落ち込みの反動も
アテナ工業(7890・JQ)は追い込み。8、9月上方修正含み。前期と似た経緯をたどっている。新製品ペプラカップが麺容器(3Q累計12%増収)中心に高い伸び。懸案の価格転嫁が8月に実現し、原油先物が反落しているためだ。市場は米欧財政危機、円高の煽りで大荒れだが、日清食品が採用し、茨城の関東工場(被災なし)増強に踏み切ったペプラカップ本格化。10月以降、震災に伴う落ち込みの反動も考えられ続伸の公算が大きい。実質無借金、利回り3.6%の現状から相当な水準訂正が見込まれる。このほか、原発事故収束難航の折り、95年7月と04年5月に稼働した2つの自家発電システム(コージェネレーション)も支援材料。94年38万トンあったスクラップ排出量が97年からわずか1万トンレベルに低下。本社工場のゼロ・エミッション活動(再資源化開発事業等表彰)が外部でも評価された。さらに、電子レンジ専用のスチームポット「ラ・クッカー」が自社ブランドで登場。技術開発とエコロジーに定評がある。ペプラカップの発売は08年3月だが、2010年(創業40年)前後から収穫期入り。今年強い上昇運だけに8、9月気になるところだ。
8月10日発表した3Q累計(非連結)は、1%増収、19%営業減益、同経常減益、18%減益。5月6日の修正を受けたもので6月に好転。4Q需要期だけに期待をもてる。11年9月期(非連結)は、売上高97億円(3.5%減)、営業利益4億円(13%増)、経常利益4億4000万円(14%増)、純益2億3000万円(33%増)と変更なし。配当は10円(期末5円)を据え置く予定。前期5月6日下方修正し、11月2日上方修正したが、今期も5月6日に売上高を除き下方修正。11月2日が楽しみだ。震災直後231円を安値に300円目前のもみ合い。1株当たり純資産642円からも割安で9月優待つき。出番待ちになっている。