今、来期反転待ち ゲオ 6月12日 (2014.06.11)
中古スマホ品切れに
ネット事業取り込み突破口
ゲオHD(2681)は正念場。前期4Q下振れし今、来期反転待ち。02年10月以来、ネット事業取り込みが突破口になりそうだ。顧客の購買履歴活用によるもので、設立来四半世紀、述べ1600万人の会員データー分析が決め手。前回述べた「GEOアプリ」で傾向を把握し、200~300万人レベルの交流をベースにメディア直営既存店(前期2.8%減)の反転を見込む。全国の同店舗(前期末1089)に対し最適な在庫を算出し、顧客にマッチしたマーケテイングを展開。ネットで受注したDVDやCDレンタルが直接最寄りの店舗から届けられるとシェアアップ。改めて国内トップを目指す。丁度10年前、創業者が事故死した経緯から踏ん張りどころ。社運が安定しており、遠藤社長(36)も上昇運で乗り越えるはずだ。スマホの普及で顧客のライフスタイルが一変し、連結営業利益183億円(2012年3月期)をピークに僅か2年で前期半減。売上高最高に拘らず今期さらに2ケタ減益の見通し。1Q主力のレンタル横ばい。消費税の影響ほとんどなしという。事実、ライバルCCCのほかソニー(6758)、任天堂(7974)などスマホに翻弄され大ピンチ。5月伝えられた角川とドワンゴ統合にもうかがえる。同社の場合、4月26日SIMカード販売参入を表明し、格安スマホの普及に拍車。ソネットと組み全国千有余の店舗で始めた。中古在庫1000台以上で東海地区最大級という大須1号店(名古屋市中区)が品切れの盛況。2号店立ち上げに追われている。これまで月1万台さばいていたが、SIM参入により1年後5万台も考えられるという。イオン(8267)が4月4日税抜き2980円で参入し囲い込みに火がついた。同社は同880円でスタート。DVD、CDレンタルに次ぐダークホースとみられ相性もよさそうだ。従来の出店、価格競争による量的拡大から質的転換に入った。
2015年3月期(連結)は、売上高2700億円(3%増)、営業利益65億円(29%減)、経常利益70億円(25%減)、純益44億円(15%増)の見通し。配当32円(中間16円)の予定。出店メディア系30、リユース融合系50(統廃合含む)の計画。積極出店とスクラップを加速する一方、前期立ち上げたオムニチャネル・リテイリングのためネット深耕が課題。今、来期脱皮が見ものだ。リユースが順調だけに、メディア直営既存店にアタリがくると流れが変わる。10年前25%といわれた大手2社のシェア。5年前52%、現在80%といわれ頂上決戦。CCCの対抗勢力として台頭したが、データーベース分析をもとに質的転換急ピッチ。5月99.2%に戻したメディア既存店の反転が楽しみだ。