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企業レポート

踊り場に新風吹く  サンゲツ  5月20日 (2014.05.19)

オーナー経営から脱皮
消費増税がビジネスチャンスに
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サンゲツ(8130)は踊り場。1Q意外に堅調。新風が吹いている。4月から安田社長(64)登板。オーナー経営から脱皮が見込まれるためだ。設立1953年(創業1849年)以来初。何よりコンプライアンス(順法)、環境経営を打ち出しオープンな印象。2012年6月、三菱商事常務執行役員中部支社長(4年)・顧問を経て同社の取締役に就任。1月16日発表されたもの。消費増税を巡りタイムリーとみられる。今、来期反動を吸収し積極的な展開が予想され、新商品、新事業、新市場のほか、グループ1400名を数える人材、500億円にのぼる手元流動性、一連のインフラ更新も手掛かり。同社、新社長ともに今年から上昇運。一体になると弾みがつきそうだ。前期は05年サングリーン、08年山田照明を子会社に迎え連結最高。ほぼ計画通りの内容。4Q(15.9%増収)駆け込み需要がうかがえる。主力のインテリア(15.2%営業増益)、エクステリア(61.6%営業増益)が好調な一方、照明器具(営業損失4億3500万円)に課題を残した。LEDシフト急ピッチ。単価の落ち込みが響いたという。事実、売上高1319億7800万円(7.2%増)、営業利益89億5200万円(11.6%増)、経常利益94億7500万円(12.9%増)、純益54億5900万円(13.6%増)で着地。最高に違いないが、単体レベルで売上高1301億円(97年3月期)を計上しており、経常最高130億円(91年3月期)当時、売上高が1017億円だけに歯痒い思い。断トツの壁装材(前期7.7%増)、床材(同6.4%増)に対し、ピークから3分の1になったカーテン(同0.9%増)の梃入れも課題という。その点、4月16日発行した新見本帳「Wish・vo1.3」が意欲的。全310点ウォッシャブルなオーダーカーテンを7つの価格帯でわかり易く提案。エッといわれるコンテンツだ。
2015年3月期(連結)は、売上高1280億円(3%減)、営業利益71億円(21%減)、経常利益75億円(同)、純益44億円(19%減)と慎重な見通し。配当75円(中間37.5円)を据え置く予定。設備投資15億円(前期33億円)、見本帳27億円(同24億円)の計画。インテリア1090億円(4%減)、エクステリア152億円(1%増)、照明器具38億円(同)の見込み。住宅着工80万戸台(前年度98万7000戸)を目安にリフォーム、非住宅市場を取り込む。10年来医療・福祉分野に実績があり、各種商業施設やホテル、学校など裾野拡大。海外の声も聞かれた。3月、稲沢市に30億円投入した同市二つ目の物流センターが稼働し後方支援。生産委託が主要150社、延べ1万3000点(壁装材5000点)といわれるインテリアの品揃え。4、5年先を視野に2、3年毎見本帳を刷新する企画提案も追随を許さない。国を挙げて大型コンピューター・固定電話からパソコン・インターネット体制に変わる転機。むしろ、消費増税をきっかけにビジネスチャンスと考えられる

 

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