次世代の節目 大宝運輸 5月11日 (2011.05.11)
支店再構築打ち出す
出会い交流あらゆる可能性
大宝運輸(9040)は節目。次世代の立ち上げ。転機を迎えた。10年(創業90年)と11年(設立60年)にかかるもので、昨年リーマンショック吸収、今年大震災収拾の年回り。昨年6月11日から小笠原忍社長(42)と宮下取締役中心に新体制。経営陣若返りが最大の手がかりだ。目下や部下の支持が増えてくると次の流れができる。現場は輸送量減少、価格競争、燃料高など四面楚歌。震災の影響でトヨタ系の操業が平均5割落ち、中電浜岡全面停止とあって関連企業の収益も大幅ダウン。持ち直すことがわかっていても、4~6月、7~9月こたえるという。それに食品卸大手菱食の合併が台風の目。食品はじめ日用品、雑貨が主力だけに荷主(問屋)の動揺も伝わってくる。このため、支店(12)再構築を打ち出し、従来のしがらみを一掃し合理的な体制に改める。支店長よりドライバーの方が取引先に詳しく、不合理なケースもあったようだ。一方、輸入自転車やホイール、タイヤ、炬燵など新事業の開拓。採算が既存事業の3分の1にとどまり厳しいという。日本の場合、3・11以降はっきり次世代になった。同社は35年余り教育立社、門戸開放、自力実行そのもの。泡影塾(約75人)、和合塾(約150人)の中に幹部候補生ずらり。巻き返しが見ものだ。
11年3月期(非連結)は、営業収益横ばい、12%営業減益、14%経常減益、純益1億1500万円。計画を下回った。20日締めであり、震災の影響を加味すると昨年11月2日の修正発表線上。前半猛暑、後半震災で荷主の対応に追われた。12年3月期(非連結)は、売上高95億円(2%増)、営業利益4億円(51%増)、経常利益同(46%増)、純益2億円(73%増)の見通し。配当は10円(中間5円)を据え置く予定。1Q(前期8月3日)より2Q発表(同11月4日)で反転のきっかけをつかむとみられる。基盤、人材、財務よし。今年の社運は動きの中にあるといわれ、出会いと交流次第。あらゆる可能性がある。