昭和の風林史 (昭和四七年四月一日掲載分) (2014.04.22)
新ポから反落 月末の場味悪し
月末の引け味は悪かった。
新ポ→週明けは反落場面だろうと思う。
買い玉は軽くするところ。
「黄水仙雨にしなびて向きむきに 点魚」
山梨商事の下村昭吾氏(昭平氏の実兄)は
九月限も積極的に売っていくと言う。
十月限が登場したら十月限も売っていくつもりだ―と。
『この小豆相場は向こう二年間の大天井を打っている。
今言うと人は笑うが、
私は結局八千円割れの小豆相場が実現するという見方である。
もちろん、今このまま、すぐにそうなるのではなく、
先に行っての話だ。
当面は二、三千円の逆張りでしょう。
目先的には一万二千八百円を
取りにいくという見方のようだが、
そこまでは戻らないと思う。
ここからの戻り頭は絶好の売り場と判断している』―と。
昭吾氏は電光足の先生である。
そして、、本年の北海道は豊作である―と断言する。
春の交易会は、量的に出来ても、出来なくても、
向こうは窓口を開けてているのだし、
北海道が豊作で、秋の交易会―とくれば、
相場として七千円台の小豆があっても不思議ではない。
現在聞かれる最も弱気な意見として書いておこう。
月末は北海道小豆がストップ安。
九月限の輸入小豆供用が30日、主務省から認められたためである。
ここにきて、東京市場は売り方の小口の踏みに
三忠などの当たり屋筋が利食いにはいってきた。
市場では、三月17日の引値(大阪二千七百九十円)までの
空間窓を埋めて、それで一杯。
あと押し目がはいろうという見方であるが
月末の場味(ばあじ)では
30日の高値が三本陽線の打ち上げ型になっていて、
31日の夜放れ安が、いかにも気の抜けた感じがした。
そういうことから地合いからいえば、
目先反落するところである。
反落して八月限で一万一千四、五百円のあたり。
そこで取り組みが、どう変化するかを見たい。
全般に一般大衆は強気である。
店の懐ろは、どこも旗(はた)になっている。
ということは、クロウト社会で言う下げ賛成の場味
(ばみ=ばあじとはニュアンスが違う)でもある。
極端な強気(阿波座筋の最右翼)で一万三千五百円を言う。
まあ平均的には一万二千八百円が多い。
従って売り上がって、もう五百丁。
クロウトは売り場狙いの構えである。
利の乗った買い玉は深追いせずに利食い時である。
●編集部注
昔から〝三十六計逃げるに如かず〟という。
相場巧者に共通するのは逃げ足の速さである。
利食い千人力ともいう。
【昭和四七年三月三十一日小豆八月限大阪一万二〇四〇円・二七〇円安/東京一万一九七〇円・二八〇円安】