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企業レポート

2Qから締まる  福島印刷  4月9日 (2014.04.08)

需要期の3Qポイント
既成概念覆し新分野69%に
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福島印刷(7870)は反転。予想以上の折り返し。2Qから締まってきた。3月28日の修正発表によるもので、例年需要期の3Qがポイント。ピークに匹敵する駆け込み需要といわれ、反動を見越して通期従来通り。後半予想以上なら本物である。前回述べた成長分野IPDP(事務通知) DMDP(販促)サービスについては、特に全体の過半を占める後者の動向が鍵を握り、顧客ニーズの的確な把握による企画提案活動を強化している。また両分野ともBPO (ビジネス・プロセス・アウトソーシング)的な要素をもつパックサービスが前年同期比30%を上回る伸びで通期5億円(前期3億円)にめど。安定化に寄与している。このため、DMDP29億9300万円(8%増)計画通り。IPDP10億2800万円(7%増)同。計40億2100万円。新分野が全体の69%を占め、01年8月期経常最高益(5億2400万円)当時のBF68%(39億円)と肩を並べるもの。13年越し、売上高60億円突破の足場が出来たようだ。パックサービスが多品種、小ロット、低コスト、さらに在庫レスにも踏み込み、印刷会社=大量生産という既成概念を覆した。前期延べ53社が工場見学に訪れ、女性の育児休暇取得後復帰率100%、復帰後就業時間短縮もモチベーションアップを物語るもの。昨年8月、福島会長(59)・下畠社長(58)中心の新体制がタイムリーに決まった。印刷業界は3兆7600億円市場、マイナス2%成長(2012~13年度版)といわれ、凸版と大日本印刷の寡占状態にあるが、1450年グーテンベルク以来の過渡期、2016年電子書籍元年ともいわれる。しかし、オンデマンド印刷や印刷ネット通販、講談社の文庫本内製化など新たな手掛かり。この上、2Dから3Dプリンターに立体化すると様変わりだ。同社の場合、2018年(創業90年)が目安。今年後半から3年上昇運が続き大化けも考えられる。
2014年8月期(非連結)は、売上高58億3000万円(5%増)、営業利益2億3400万円(22%増)、経常利益2億3100万円(29%増)、純益1億3000万円(同)に修正なし。配当10円(期末5円)を据え置く予定。中間期、首都圏47%、北陸34%、中部・関西19%の構成だが、来年春に長野新幹線と金沢が結ばれ、東京五輪もビジネスチャンス。昨年8月404円を戻り高値に一服しているが、リーマンショック直前の高値を抜いているだけに妙味十分。利回り2.9%、優待(北陸の名産品)も人気がある。

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