浜岡停止の影響軽微
社運踊り場、社長上昇運
エイケン工業(7265・JQ)は計画線。震災にめげず健闘している。直接被害がなかったほか、懸念された中電浜岡停止の影響も軽微。1、2Q減収ながら純益を除き予想を上回った。円高、原油・鋼材高、前期最高になった輸出の反動、さらに震災対応を迫られたものの見込み利益を確保。通期では計画通りという。しかし、リーマンショック前まで売上高55億円、営業利益5億円前後計上し550円どころでもみ合っていた経緯から様変わり。直近2期下振れし、前期持ち直した矢先に今期減収減益の見込み。3月14日321円(1株当たり純資産634円)を安値に、5月2日401円が戻り高値。その後見送られている。自動車用フィルター業界は国内で純正、市販メーカーともに成熟。リーマンショック、震災を通じて市場が頭打ちになっているためだ。同社は市販メーカー。一貫生産で販路も多岐にわたり、早くからボッシュが認める品質。前期最高になった東南アジア、欧州向け輸出が成長の鍵を握っている。
2Q累計(非連結)は、4%減収、28%営業減益、31%経常減益、47%減益の折り返し。東南アジア向け輸出が減少した。11年10月期(非連結)は、売上高45億400万円(5%減)、営業利益1億3900万円(32%減)、経常利益1億4000万円(35%減)、純益8000万円(70%減)と修正なし。配当は期末12.5円の予定。後半シビアだけに3Q発表(昨年9月3日)が注目される。輸出は円建て15億円レベル。本社のある御前崎市が浜岡停止で揺れ、原発の東西高さ120メートルの風力発電機が遠州灘の強風を受けて回っている。3・11の揺り戻しも考えられるだけに無事を願わずにいられない。社運は、案の定今年踊り場。来年に備えよという。09年1月就任した早馬社長(54)が強い上昇運で頼りになりそうだ。