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企業レポート

大もち合い6年 文溪堂   5月26日 (2011.05.26)

新要領に呼応し上放れ

前期4Q追い上げ4月高水準

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文溪堂(9471)はスタートダッシュ。前期4Q追い上げ4月も高水準。移行措置2年の仕込みが早々結果となって出た。新学習指導要領移行に伴うもので、今年小学校、来年中学校、再来年高校も実施。ゆとり教育や生きる力を唱え、むしろ学力低下をもたらした教育行政20年の修正場面。比率10分の1だが、中学校が1年後、高校向け出版・教材も2年後の4月に新要領の大勢が決まる。つまり、2011~13年が以後10年を左右するわけで、時代に敏感な児童や生徒より現場教師や文科省の適応ぶりが問題。依然教える側が内向きといわれ、国内外の大きな変化に後れを取っているためだ。その点、昨年5月7日と5月6日の上方修正が手がかり。前回0.8%、今回も2.1%計画より増収、ともに大幅増益。移行措置2年つぶさに対応し、4月に当たりをとった。市販図書が第56回青少年読書感想文コンクール課題図書に選ばれ、57回も連続採用が決まり20年来初。構想2年、12年ぶりバムケロシリーズ第5弾のヒットも支援材料。今期は小学校の全面改訂よる編集負担増、中学校向け移行措置にかかる原価高・在庫処分など減益の見込みだが、次期から費用負担や処分も逐一改善。出版・教材ともシェア上昇を足がかりに前期の反動を吸収できる。10年(創業110年)を節目に次世代3度目の仕込み。新要領に呼応し陰から陽の10年に入った。3・11が鬼門とみられ、滅失教材を含め震災対応も脱皮に不可欠。社運を調べると、今年は動きの中に運がある。出会いや交流が可能性をつくるという

11年3月期(連結)は、3%増収、11%営業増益、15%経常増益、15%減益。計画を上回った。2Q2.5%増収で折り返し、通期の売上高も最高。前哨戦をモノにしている。12年3月期(連結)は、売上高106億7000万円(1.5%減)、営業利益3億6000万円(40%減)、経常利益同(42%減)、純益1億7000万円(38%減)の見通し。配当は8.8円(中間4.4円)の予定。単体の配当性向40%(下限7.5円)が目安で、前期は当初8.2円から11.35円になった。06年から1000円中心に6年がかりの大もち合い。上放れのきっかけをつかんだ。

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