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企業レポート

ピーク更新射程圏 OSG  2月20日 (2014.02.19)

期待できる中期計画 

リーマン前の水準固め尻上がり

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 OSG(6136)は好調。前期2Qから尻上がり。ピーク更新を射程圏に捉えた。1Q自動車や航空機中心に活況。回復が遅れていたカタログ品も動き出した。為替は見込みより円安(基準レートUS$98円)に振れ、輸出採算も改善している。昨年11月、ボーイングが次世代大型旅客機「777X」を巡り、東大と国内8社に機体をはじめ製造コストを大幅に削減する共同開発を持ちかけた。同社も一員として知られる。同12月、シティグループ証券がレーティングを中立から最上位に引き上げた。さらに、今年1月トヨタ再生のシンボルといわれるピンクのクラウンを10台営業車に購入。わずか全国650台で予想以上のプレミアムという。前回リーマン前の水準を固めると述べたが、直近テイクオフの状態。ボーイング、シティグループ証券、ピンクのクラウンでもわかる。08年(70周年)金融危機から18年にかけて2度目の事業確立期。かねて連結売上高1000億円のグローバルプレーヤーを掲げており、再度のチャレンジ。1月15日発表された中期計画によると、大手ユーザー開拓、フラッグシップ戦略により主力製品(タップ、エンドミル、ドリル、転造工具)の世界シェアトップをめざす。前者は、同社が得意とする対面型販売をさらに推進。顧客ニーズを掴み、部門を越えた情報共有で受注力強化を図る。後者は、高品質かつ割安な製品をフラッグシップ製品とし、Aタップシリーズを皮切りに主力製品ごとに開発。世界規模で販売し、ボリュームゾーンでシェアアップを図る。改めて連結売上高1000億円、営業利益170億円(2016年11月期)を目標に置いた。日本の工具業界は月330億円前後の市場で、現在金融危機前の8割にとどまるといわれ、同社も中小向けカタログ製品が苦戦。旧式の金型でも新しいプログラムや工具を使いコスト競争力を回復するコンサルティングビジネスを手掛け、効果が表れ始めた。材料製造、コーティング加工、これらの基礎研究から、工具を生産する設備も自前。次なるフラッグシップ製品の開発が楽しみだ。 

2014年11月期(連結)は、売上高960億円(9%増)、営業利益150億円(17%増)、経常利益154億円(11%増)、純益86億円(0.2%減)の見通し。配当は75周年記念3円を落とし28円(中間14円)の予定。設備投資63億円(前期59億円)の予定で償却65億円を下回る。前期末フリーキャッシュフロー206億円増加。現預金238億円にのぼった。計画が順調なら今後M&Aも考えられる。従来、1Q出遅れが目立つだけに好スタートの印象。同計画に期待をもてる。本社(愛知県豊川市)近隣には男女とも高校駅伝で全国トップクラスの豊川高校があり、高校野球も今春甲子園に駒を進め、粘り強い土地柄。同社は硬式テニスで20年以上の実績。昨年9月、全国実業団対抗テニス大会の団体男子で優勝。前年、別の全国大会でも優勝を飾り士気が高い。1月23日2094円を戻り高値に押しが浅いのもわかる。

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