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企業レポート

4Q追い込み  田中精密  2月19日 (2014.02.18)

ピッチ上がる仕込み 

5極体制の本格稼働見もの          

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 田中精密工業(7218・JQ)は3Q堅調。4Q追い込み。ピッチが上がってきた。新年度に備えるもので、昨年6月インド納入開始、今年2月ベトナム立ち上げ、消費税引き上げの反動など次期が焦点。第12次中期計画(2015~17年3月期)の仕込みに相当し日本、米国、タイ、インド、ベトナムを結び世界5極体制。本格稼働が視野に入った。1月31日ホンダ(7267)と同時に3Qを発表したが、前回述べたように米国(累計連結77%営業増益)とタイ(同93%増益)の稼ぎで国内(同損失3億2700万円)、インド(同4億400万円)、ベトナム(同7000万円)の持ち出しを吸収。「攻めの合理化」に傾注している。ホンダのグローバル構想(2016年度の世界販売600万台)に連動するもので、13年度タイとブラジルの誤算から438万5000台に修正。14年度450万台以上と慎重な見通し。同社の場合、南米に拠点がなく、タイの反政府デモも空港が閉鎖された08年当時より落ち着いた様子。リーマン以降、国内では200人退社(前期末連結2387人)、東日本大震災直後の稼働率50%、さらに、タイ洪水、猛烈な円高などよく凌いだ。北米生産の回復や円安が増益の主因としても、今期連結60億円(償却43億円)の設備投資に見どころ。前期60億円(同40億円)、直前期85億円(同30億円)を加味すると3期延べ200億円。資本金5億円の会社にしては大胆不敵。国内のほかタイもマザー機能を持ち、金型や生産設備、人材教育などインド、ベトナムをリード。国内外、連携を強化する。08年(創業60年)が転機。2代目のオーナー社長から岩井社長(67)に交代した矢先リーマンショック。5年有余逆回転をこなし大型投資に踏み切った。本格稼働まで1、2年かかるが、4Q締まると来期楽しみだ。

2014年3月期(連結)は、売上高504億5000万円(7%増)、営業利益20億円(同)、経常利益18億円(10%増)、純益5億4000万円の見通し。昨年10月28日の修正予想に変更なし。2円増配し16円配当(期末8円)の予定。ホンダも昨年10月30日修正した連結予想(税引前利益を除く)を据え置いている。基準レートが1ドル95円、バーツ3.20円、ルピー1.60円だけにホンダの台数減を吸収できる見込み。同社が2014,15年調整運にひきかえ、ホンダは今年後半から3年上昇運。昨年5月F1復帰を表明し世界一を目指す。前期から反転しているが、1、2年後5極体制の本格稼働が見もの。今、来期の仕込みが生命線になる。

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