今年後半から社運上昇
タイ子会社混乱なく12月稼働
ヨシタケ(6488・JQ)は挽回。3、4Q巻き返し。2Q出遅れた。昨年10月28日の修正発表によるもので、1Q連結13%増収に対し、2Q国内が想定を下回り3Q戻した模様。洪水で被災後一新したタイ子会社YWT(ヨシタケ・ワークス・タイランド)が一昨年12月稼働した工場に続き、昨年11月機械設備が入り鋳造工場も稼働。追加費用の発生もある。YWT立ち上げに今期10億円(前期14億円)を投入する計画だが、ワーカー260人といえば2割増に当たり相当な英断。オーナー経営で知られ決定が早かったという。2011年に大洪水の影響でゼロ成長に陥ったタイ経済。同年8月発足したインラック政権が自動車大型減税やコメの高値買い上げで12年V字回復したが、13年反動のためタクシン・反タクシン派の対立が深刻化。各地で反政府デモが広がっている。このため、心配したが事業に支障なし。仕入、得意先とも混乱なく回っているという。前回述べたように、中国やアセアンの日系、外資系取引先を通してグローバルな「海外本社」といわれるポジション。今年後半から社運上昇が見込まれ期待をもてる。山田社長(44)も同運だけに尚更。4Q締まると来期楽しみだ。国内だけで東京五輪招致、あべのハルカス、名古屋駅スーパーターミナル構想など再開発案件が山積している。リーマンショックから5年有余、YWTの本格稼働が復活の口火。2014、15年の反転攻勢が見ものだ。海外で代理店と並びユーザー向け提案営業が目玉。複数具体化した模様で画期的なこと。このほか、連結子会社の宏洋サンテック、カワキ計測工業も比較的堅調。今年2月(70周年)、事業陽転の節目を迎える。
2014年3月期(連結)は、売上高62億円(5%増)、営業利益2億円、経常利益4億3000万円(30%減)純益2億7000万円(48%減)に見直した。配当は期末20円の予定。依然慎重だが、前回同様消費税引き上げに対応。問題ないという。円安に伴う原価高、YWT新工場の償却負担増も徐々に吸収できる見込み。国内、海外(2Q連結累計16%)も稼働率にかかってくる。リーマンショックとタイ洪水の影響で直近2年きつかったが、昨年12月に乗り越えた印象。3Q発表(前期1月31日)が注目される。1株当たり連結純資産1345円(2Q連結累計)だけに、増益になれば大幅な水準訂正が見込まれる。紆余曲折も予想されるが、今年後半社運好調。モノにできる。