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企業レポート

持ち直す 木曽路   5月18日 (2011.05.18)

震災であく抜けし反転

4期ぶり収益の回復が焦点

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木曽路(8160)は回復。持ち直す見込み。むしろ、東日本大震災であく抜けした。前期、震災前日まで昨年10月21日の修正予想通り。3月11日以降、推定6億円減収、営業利益で3億6000万円失った模様。一部店舗が被災したほか、直後1週間で関東地区82店舗の客足半減。地元東海地区(56店舗)でも約1割落ち込んだという。原発事故や停・節電の影響によるもので、年度末の歓送迎会中心にキャンセル続出。さすがに直近関東90%、東海地区でも前年並みといわれる。リーマンショックをきっかけに3期連続赤字決算。配当も26円から前期14円まで落ち込み巻き返し。阪神大震災当時の経緯を踏まえ、今後3期でピーク(07年3月期純益16億2000万円)更新を目指すと意欲的。前期末170店舗。基幹業態しゃぶ・日本料理「木曽路」(114)中心の展開。和食新業態「鈴のれん」拡大、既存3業態見直しなど次世代の仕込み。震災は、10年(創業60年)を節目に鬼門通過現象とみられる。今秋創業者の1周忌を控え、反転なしに収まるまい。

11年3月期(非連結)は、1.5%減収、11%営業減益、5%経常減益、純損12億6000万円。4月22日2度目の修正通り。震災の影響がひびいた。しかし、「木曽路」355億1100万円(1.2%増)に手がかり。資産除去債務8億1900万円ほか特損16億8800万円計上しあく抜け。4期ぶりに持ち直す公算が大きい。12年3月期(非連結)は、売上高446億円(2.5%増)、営業利益7億円(2.7倍)、経常利益7億8000万円(91%増)、純益1億6000万円の見通し。配当は14円(中間7円)を据え置く予定。1、2Q11億円の営業赤字を見込み、3、4Q18億円(前期14億円)の黒字転換。来年以降復興需要の本格化が見込まれ、1、2Qの対応が決め手になりそうだ。実質無借金で財務に問題なく、収益の回復が焦点。震災以降1600円(1株当たり純資産1122円)中心のもみ合いだが、押しは浅いと考えられる。

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