3、4Q強含み 武蔵精密 1月8日 (2014.01.07)
ホンダの巻き返しに呼応
世界販売600万台体制で出番
武蔵精密工業(7220)は堅調。3、4Q強含み。来期続伸の見通し。前回述べたホンダの巻き返しに呼応するもので、落ち込んだタイ・ブラジルの体験に学び改善と円安が主因。昨年12月払い込みのCB100億円についたプレミアム5%も手掛かり。5年債で利回りゼロだが、アジアでホンダが盛り返し、同社の中国、インドネシア、インドなど生産拠点増強を好感。収益回復を見越したもの。同9月カナダ子会社のロイヤリティ二重課税に対し、日本とカナダ国税当局に毅然とした姿勢が伝えられる一方、同社がメインスポンサーの鈴鹿8時間耐久ロードレースに3年振り2度目の優勝。連覇を目指す上でも発奮材料。今、来期の仕込みが中期計画の連結売上高1700億円、営業利益8%(2016年3月期)や10年後を左右するとみられ、緊迫した場面を迎えた。3Q発表(1月30日の予定)が注目される。予想を大幅に上回った折り返しに次ぐもので、アジアと北米が戻す一方、欧州に南米が停滞気味。国内は消費税引き上げが悩ましい。しかし、昨年9月稼働したホンダの寄井工場(埼玉県)がユニーク。今年稼働予定のメキシコ工場に先立ち、小型車の生産改革を発信する。海外生産シフトが一巡し、国内で最初に乗用車、新工場ができたとすれば画期的。海外の賃金上昇、円安との兼ね合いによるが、今後世界的に小型や軽の需要増が見込まれ、今、来期分水嶺と考えられるためだ。昨年5月ホンダが7年振り2015年にF1復帰を決めたこともモチベーションアップ。ホンダは今年4月から上昇運でタイムリーな決断をした。おのずと同社に跳ね返る仕組み。今期の設備投資240億円(前期229億円)の計画。前半130億円で頭打ちというが、来期も195億円程度見込まれ高水準。2Qから償却を定額法に変更しており、利益が表面化するのは再来期以降の見通し。今、来期の仕込みにかかっている。
2014年3月期(連結)は、売上高1450億円(15%増)、営業利益85億円(9.1倍)、経常利益93億円(3.6倍)、純益57億円(3.1倍)に見直した。4円増配し44円配当(期末22円)の予定。6月W杯、2016年夏季五輪を控え物価高、低賃金、税負担増を足かせにブラジルの不振が泣きどころ。欧州横ばい、タイ底入れを勘案し来期の営業利益100億円の印象を受けた。ホンダが世界販売を400万台から600万台(2016年度)に引き上げ、増加分の8~9割小型車といわれる中で同社の出番。2014、15年調整運だけに面白い。大塚社長(48)は15年から運気好調になる。